見出し画像

あのミットに向かって2nd 22話(82話)

〇〇:おはようございます!

翔平:おはよう!寝れたか?

〇〇:時差ボケで少しだけ

翔平:それはしょうがないな

部屋はどうだった?

〇〇:あんなにいい部屋を貸していただいてありがとうございました。

翔平:変な事はしなかったか?

〇〇:しませんよ!
勇気ないですから
って、何言わせるんですか

普通女性は女性同士で寝させるでしょ

翔平:え?そしたら史緒里ちゃんを1人にさせろと?

〇〇:いや、そういうわけでは


そんなに嫌なの?

〇〇:ビクッ

後ろには史緒里が立っていた


翔平:あ〜あ、彼女怒らせちゃった

〇〇:いや、史緒里これは違うくて…

史:何が違うか教えてよ

私と一緒の部屋が嫌だったの?

〇〇:大変嬉しゅうございました

史緒里様が私と寝るのが嫌ではないのかと思いまして話したまでです

史:嘘くさい

どうせもうじき一緒に暮らすんだから関係ないでしょ?

その時は私も何されてもいいように覚悟しておくから

〇〇:!?

翔平:史緒里ちゃん凄いな…

真美子:ホントね

若菜:栄純は私の事いないと思っていつも寝てるんですから

真美子:それはそれで面白いじゃない

若菜:少しは私も見て欲しいのに…

真美子:それそのまま伝えたら?

若菜:いや、大丈夫です!

栄純:若菜どうした?朝から顔真っ赤にして

若菜:栄純!

おはよう!今日は早かったね〜

栄純:時差ボケで寝付けなかったんだよ

あ、翔平さんおはようございます。

翔平:おはよう。で、早速だけどどうすんの?

栄純:翔平さんと同じチームになるかはわからないですけどメジャー挑戦します!

昨日はありがとうございました


翔平:それは俺じゃなくて〇〇に言うべきだろ?
俺はお前と野球がしたかったんだから

栄純がこれまでやって来た事は無駄にはならないし、メジャーでも十分通用すると思うぜ


栄純:ありがとうございます
精進します

翔平:それであの寝坊助は?

栄純:あぁ御幸先輩ですね

あの人ならまだ…


一也:ぐ〜が〜💤


翔平:今すぐ腹殴りに行こうかな

栄純!行くぞ


〇〇:朝から元気だなぁ

史:そんなことよりどうなの?

嫌なの?

〇〇:いや、恥ずかしいというかなんというか…
緊張して寝れないんだよ

史:そういう事ね
わかった!今日から抱きついて寝るね💕

〇〇:おい!それはもっと…

史:そんな史緒里のこと考えてくれてたんだね
それなら史緒里からも愛情たっぷりのハグをして寝てあげるからね☺️

〇〇:オワッタ〜


その頃御幸の部屋

ガチャッ

翔平:一也!起きろ!ボコッ

一也:うげ〜

もっとちがう起こし方ないんですか?🥱

翔平:されたくないなら起きることだな

さぁ今日から地獄の始まりだからな

一也:なら寝てていいですか?

栄純:いきますよ!バサっ

一也:あ〜〜俺のふとん…


栄純:そう言えば翔平さん、練習にメディアは入れるんですか?


翔平:入れないよ

入れてもチーム関係者しか入れない

そのチーム関係者も口外を禁じているから

もし情報が出たら訴えることになってる

栄純:すげ〜

翔平:守らないといけない奴もいるだろ?

栄純:〇〇と史緒里ちゃん…

翔平:そうそう
あの2人は特に守ってあげないとメディアや記者は関係なく載せるから

〇〇は甲子園を沸かせた投手でもある

それが今、どこの試合にも出てないとなるとどうしても情報を知りたい奴らは出てくる

学校を休学してまでここに来てるんだ

栄純:そうですね

翔平:それもあって〇〇の監督さんにはお話はしたけどね

栄純:そうなんですね
それで何と…


翔平:向こうは了承してくれたよ


もしもし雷道高校の監督さんでしょうか?

麻:いいえ、私雷道高校のスカウトなどをしています三吉麻衣と申しますが
どちら様でしょうか?

翔平:わたくし大谷翔平と申します

麻:え?ご本人様ですか?

翔平:そうですけど信じられないですよね

麻:あ、はい…

翔平:〇〇君の事でお電話させていただきました

麻:森田〇〇君の事で?あなたがなぜ?

翔平:それを監督さんとお話ししたくて

麻:すみません、ちょっとお待ちください


監督!

監:どうした?

麻:大谷翔平さんから〇〇君の事でお話ししたいとお電話がありまして

どうしますか?
ご本人かもわかりませんし

監:わかった。代わる

監:代わりました。監督の片岡と申します

翔平:大谷翔平と申します
早速〇〇君の事でお話があります
〇〇君は二重人格ですよね

監:なぜそれを?

翔平:これで本人だと認めてくれましたか?
沢村栄純って知ってますか?
ソフトバンクの

監:は、はい。知っていますが…

翔平:その沢村のところにいって〇〇君は二重人格を克服したそうです。

監:!?

翔平:〇〇君、きちんと成長されてますよ
1打席勝負して負けましたよ。しかも三振


監:え?本当ですか

うちの森田が大変なご無礼をかけたんでしょう

なんと謝りすればよろしいか

勝負を持ちかけられたんですよね?

翔平:まぁそれはそうでしたけど、俺は本気でいって負けたので…
何も言えないですね

監:それほど成長したと

翔平:はい。それで今、〇〇君はアメリカにいます

監:!?

翔平:流石に監督さんにはご連絡をと思いまして

監:はい…

翔平:情報はどこにも出しません。
出た場合は訴えると決めていますので

なので遅いかもしれませんが〇〇君を預けていただけないでしょうか?

監:………


連絡はもう少し早く欲しかったですが、

翔平:すみません

監:色んな方が森田のために動いてくれていることには感謝しかありません。

これは〇〇にとってもこれ以上ない経験になります。

こちらからもよろしくお願いします

翔平:ありがとうございます
それでなんですけど監督さんも一度〇〇君と会ってみてはいかがでしょうか?

お金関係は私が出しますので
ご招待という形で

監:いや、そこまでしてもらうのは…

翔平:復帰していきなりより一度お話をされていた方がよろしいかと

そして、監督さんにも今後の練習の参考になればとも思いますので是非

監:そうですか…
ありがとうございます。

では、行かせていただきます

本日向かいますので、そちらに着いたらご連絡いたしますので連絡先を…

翔平:はい、それはどうぞ


そして、監督もアメリカに向かうこととなった


翔平:では、楽しみにしております

監:はい、ありがとうございます
では失礼します


ガチャッ


監:克服したのか…


麻衣!

麻:はい!

どうでしたか?

監:ご本人だった…

麻:え?
それで何をお話になられたんですか?

監:まず〇〇のことだ
それでだが、二重人格を克服したそうだ

麻:それ本当の話ですか?

監:色んな人が手伝ってくれたらしい

それでなんだが、今からアメリカに行ってくる

麻:すみません、ちょっと意味が

監:〇〇は今、アメリカに大谷翔平といるそうだ

麻:え〜〜〜〜〜

監:静かにしろ!

麻:す、すみません。

監:これは誰にも話してはいけない秘密だ

向こうもバレたら訴えると決めているらしい
それ程に極秘でやるそうだ

今、大谷翔平から練習を観に来ないか?と誘われた。そして、森田と話してくる

麻:あ、はい…

監:だから5日ほどここを空けることになるが麻衣頼んだぞ

麻:わかりました

行ってらっしゃい

監:選手には急用でと伝えといてくれ

麻:そのように伝えておきます



克服したんですね。


監:あぁ
1ヶ月以上かかってると聞いてる

詳しい事は本人と話してくるから
帰ったら報告する

麻:わかりました。では気をつけて

監:行ってくる


〇〇:翔平さん今日はどんな練習するんですか?

翔平:とにかくキツイよ
体中を虐めるからね

〇〇:大丈夫です。いつもやってるんで

翔平:それは楽しみだ


しかし、〇〇は地獄を味わうことになる



〇〇:はぁはぁ…

翔平:おい!〇〇!
そんなもんか〜

〇〇:んにゃろ!

ダダダダダダダダダダダダ


翔平:おう、それそれ!

〇〇:きっつ!

翔平:はい👏
次!

GO!!

〇〇:マジか…

やべぇ…

いつも部活でやってるから大丈夫だと思ってたけどレベルが違う

トレーニング用に作られた場所だから

床自体も違うし、普通に走っているだけで疲れるような造りをされている

翔平:足が前に出てないぞ!
大きく前に踏み出せ

〇〇:はい!

翔平:これは股関節にも効くんだ
足を大きく動かす事は股関節の可動域も広げることができるんだ

投手ならわかるだろ

特に〇〇は普通の人より可動域が広いこともわかるが上手く使えていない
勘違いしていたんだ

だからいつもよりキツく感じるんだ

〇〇:なら使った気でいたと…

翔平:そういうこと
これを鍛えれば球速も自然と上がってくるからな

〇〇:わかりました!

史:凄い…

一流選手はこういう知識も知っているんだ

勉強になる
カキカキカキ

真美子:そうね
史緒里ちゃんにはこれもそうだけど〇〇君をサポートする力ももっと磨いてもらわないとね

史:はい!頑張ります


翔平:栄純!そっちはどうだ?

栄純:今1セット目が終わりました

一也:あと4セット

翔平:しっかりやれよ〜
これはお前ら2人の足りないところを補う場でもあるんだからな

一也:俺、3年目だけど未だにキツイわ

栄純:明日全身筋肉痛確定ですね


翔平:〇〇!次クランプ

〇〇:はい!

翔平:体幹は良さそうだな

〇〇:史緒里にいじめられて来たんで

翔平:あの子も凄い子なんだろ?

〇〇:そうですね
俺より遥か先にいる人です。

翔平:それは見ればわかる

〇〇:え〜〜
そこは「そんなことないよ」でしょ?

翔平:当たり前のことを言っただけだから☺️


〇〇:…………


翔平:はい!
次はこれを着けてやってみ

〇〇:これなんですか?

翔平:これは重心が真っ直ぐじゃないとズレている方に重さがかかる器具だ

そのままクランプやってみ


〇〇:うわ!

ドテッ

〇〇:おんも!!

立てない

翔平:意識してみろ
今、体のどこに重心がかかっているのか


〇〇:今倒れたのが右…
という事は重心が右寄りということか…

左脚はピッチングで片足でバランス取るのに使うからある程度はしっかりしてるけど右脚の踏み込みが甘い時があるのは右の重心ができてないからなのか


翔平:うんうん
(よく理解してる)

〇〇:なら、これはどうか

うわっ

ドテッ

ダメだよな

これは逆に意識しすぎてバラバラだ

難しい

翔平:これを完璧にするまでこれな!

〇〇:わかりました!

翔平:俺も自分の練習に入るから

〇〇:ありがとうございました


それから二日間、〇〇は体感メニューとターンダッシュなどボールに触らないメニューをやっていた

〇〇:ここまで自分で意識しながらやったことなかったからいかに無駄なことをしていたのかが十分にわかった

今は真ん中にあるからバランスが保たれている


翔平:お!ようやくその装置つけてもできるようになったか

〇〇:まだ気を抜いたらブレますけど最初よりはできるようになりました。

翔平:飲み込みが早いよ
うちのトレーナーも感心してるよ


そして、今日の練習も終わり…

〇〇:疲れた〜


◯父:〇〇!
ちょっとそこに寝ろ
身体をみる

〇〇:うん、よろしく


ぐ〜
ギュッ

〇〇:あ〜気もちぃ〜

◯父:うん、ストレッチはしっかりやってるようだな

〇〇:前にお父さんに言われたからね

◯父:でも、ケアできない部分はもちろんあるからな
例えばココ(膝)とか

〇〇:いったぁあああああああ

◯父:それとか背中の筋肉とかね

ぐっ

〇〇:痛すぎて意識飛ぶ

◯父:ここは自分で押しても痛くないんだよ
よく怪我する人はこういう所が痛くなったりする


〇〇:そうなんだ…

◯父:だから毎日夜、俺の部屋に来て
マッサージ受けてから寝るように


〇〇:わかった。ありがとうお父さん



そして、次の日

プルルルルル

翔平:もしもし

監:空港につきました

翔平:現在地を送りますのでそこまで来ていただいてもよろしいですか?

監:わかりました



1時間後…

監:ここか…

どういう施設なんだ?これは

スタッフ:Which one is it?(どちら様ですか)

監:I’m Goki Kataoka.
I was called to Shohei Otani.
(大谷翔平に呼ばれて来ました)

スタッフ:Please wait a moment.
(少々お待ちください

監:Sure.(わかりました)


翔平:初めまして、大谷翔平です
いつも息子がお世話になっています。
わざわざこのアメリカまでお越しくださりありがとうございます

監:雷道高校、野球部監督の片岡剛喜です。
こちらこそいつもお世話におります
今回は呼んでいただきありがとうございます


🤝


監:健吾君は投手陣を引っ張っていますよ
エースナンバーつけたことでより野球に身が入ったというか…

翔平:そうですか
健吾がチームの一員になれているなら安心しました。これからもよろしくお願いします


翔平:ここで話すのもなんなんでこちらにどうぞ

監:はい


監督が見た光景は…

整えられた見たことのないようなトレーニング器具の数々に、野球界を引っ張るメジャーリーグ選手ばかりがそこにはいた

監:これは凄いですね


翔平:これはテレビにも出ません


監:それを私に見せてよろしいものなんでしょうか?

翔平:雷道の監督さんなら大丈夫だと思いまして
それに〇〇君を預けていただいているので

あそこに〇〇君がトレーニングしていますよ


〇〇:きちぃ
でも、まだまだ!


監:森田はどうですか?

翔平:最初は初めての事に戸惑っていましたが、徐々に慣れてきて今ではコミュニケーションもとりながら自分で考えてやってますね
あそこまで野球にそして自分に熱心な高校生は少ないと思います

何に対しても自分で考えて実践する
ぶつかった壁をどう打開していくのかを常にいろんな角度からアプローチしてますね

まるで野球をするために生まれて来たみたいですよ

監:そうですね
森田は無名な中学校から雷道に来ました
監督も初心者だったらしいのでほぼ独学でやってたと思います


今はそこに野球の知識が身についたことでより野球を知り、そして自分を知った事でここまで成長しているのだと思います。

でも、大谷選手も高校時代はそうだったのでは?

翔平:いや、私はダメでしたよ
色々な人との巡り合わせでここまで来ただけですから

努力はしましたけど…

監:その努力が人と違う所だと思いますよ


翔平:ありがとうございます

でも、〇〇君の方が私の数倍素晴らしい選手ですよ

数年後日本を背負って投げてると思います

監:それは私もそう思います

翔平:いつか一緒のチームで野球をしたいですね


監:その時は私も観たいですね


翔平:〇〇!


〇〇:はい!なんでしょ…


ボ、ボス!?

何故ここに…


監:ボスではない

翔平:いつもそう呼ばれているんですか?😆

監:森田だけですよ



〇〇:お久しぶりです。どうしてアメリカに…

翔平:俺が呼んだんだ

〇〇:え〜
お知り合いなんですか?

監:いや、今回は大谷選手からお誘い頂いたんだ

翔平:そうそう

監:大谷選手が森田と話してみませんかって
それと練習も観ていいですよってことだから

それに森田の状態を確認しときたかったしな


〇〇:そういうことだったんですね


翔平:2人で話されてていいですよ
あちらに休憩ルームがあるので
私はトレーニングしてますから
何かあったらスタッフにお声をかけてください


監:ありがとうございます


2人が話すこととは…

To be continued…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?