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米国グロース株GAFAMの決算解説

INDEX

アップル | AAPL
中国の都市封鎖の影響で「iPhone」生産に支障あり、2022年10-12月期決算は減収減益。

アマゾン・ドットコム | AMZN
2022年10-12月期の売上高は過去最高を記録、2023年1-3月期の営業利益はゼロの可能性との見通し。

アルファベット(旧Google) | GOOGL
前年同期比で1%の増収。しかし利益減少で約1万2000人の人員削減を行う方針を発表。

メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック) | META
3四半期連続の減収だが、売上高は予想ほど悪化せず。

マイクロソフト | MSFT
22四半期連続の増収を達成。純利益は2四半期連続の減益。

 世界的なIT企業である5社、GAFAM(Google[Alphabet]、Amazon、Facebook[Meta]、Apple、Microsoft)の2022年10-12月期の決算が出揃いました。市場では、GAFAMが「冬の時代」に突入しているとの声も聞かれます。その一方で、METAなどは決算発表後に急騰しました。

 今回は、GAFAMのいまの状況を見ていきましょう。

アップル | AAPL

 米アップルが発表した2022年10-12月期決算は、前年同期比で減収減益となりました。中国の新型コロナウイルスの感染拡大に伴う都市封鎖の影響で主力の「iPhone」の生産に支障が出たことや、ドル高によって海外売上高が目減りしたことで、売上高は前年同期比で、2019年1-3月期以来、15四半期ぶりの減収です。

 新製品の投入が遅れたパソコンの「Mac」部門の売上は、前年同期比29%減と特に弱さが目立ちました。アップルは先月、2023年の新製品第1弾として、「MacBook Pro」と「Mac Mini」の新モデルを発表しましたが、アップルは「Mac」部門の売上は2023年1-3月期も減少する可能性が高いとしています。

 中国のゼロコロナ政策の撤退を受けて、アップルは「iPhoneの供給不足についての問題は去った」としましたが、売上高については為替の影響で減収傾向が続く見通しを示しています。

アマゾン・ドットコム | AMZN

 アマゾン・ドットコムの2022年10-12月期決算は、10月に日本を除く15カ国で会員向けセールを実施したほか、年末商戦の売上が貢献し、売上高は過去最高を記録しました。
 ただ、米新興電気自動車(EV)メーカーのリヴィアンに対する投資損失や人員削減に関連した費用などが響き、純利益は大幅な減益です。

 また、アマゾン・ドットコムの業績を押し上げてきたクラウドサービスのアマゾン・ウェブ・サービシズ(AWS)の成長鈍化傾向が懸念される状況となっています。AWSの売上高は、前年同期比20%増と1年前(2021年10-12月期)と比較して伸び率が半分です。

 さらに、アマゾン・ドットコムの積極的なコスト削減にもかかわらず、本業の儲けを示す営業利益が2023年1-3月期はゼロになる可能性があるとの見通しは、投資家の失望感を誘うものとなりました。

アルファベット(旧Google) | GOOGL

 米グーグルの持ち株会社アルファベットが2月2日に2022年10-12月期の決算を発表しました。検索やユーチューブの広告収入の減少をグーグルクラウドなどの収入の増加で補い、前年同期比で1%の増収となりました。10四半期連続で増収です。

 しかし当期純利益は、人件費や研究開発費の増加、保有する株の価値が下落したことなどを受けて、減少しています。今決算で4四半期連続の減少です。なお、アルファベットの従業員は、2021年末から2022年末までに約3万4000人増え約19万人となっていますが、コスト削減策として、今年1月には約1万2000人の人員削減を行う方針を発表しました。

メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック) | META

 米交流サイト大手メタ・プラットフォームズの2022年10-12月期決算は、景気減速による広告主の予算縮小などの逆風を受けて、前年同期比で3四半期連続の減収となりました。減収は続きましたが、売上高は予想ほど悪化しませんでした

 また、交流サイトのフェイスブックの1日あたりの利用者数が20億人に達したことや、コスト削減による効率化を目指す姿勢を示したこと、さらに自社株買いの拡大を発表したことなどが好感され、決算翌日のメタ・プラットフォームズの株価は20%以上急騰しました。

 なお、今回の決算を受けて、バンク・オブ・アメリカやモルガン・スタンレーなどのアナリストらは、メタ・プラットフォームズの目標株価を引き上げています。

マイクロソフト | MSFT

 米マイクロソフトが1月24日に2022年10-12月期の決算を発表しました。売上高はPCメーカー向けのウィンドウズ販売などが低迷する一方、「アジュール」などクラウド関連が好調で、前年同期比で増収を達成しました。
しかし、研究開発費、販売費及びマーケティング費、一般管理費の増加などによって、純利益は前年同期比で2四半期連続の減益となりました。

 2023年1-3月期の業績見通しは、ビジネス向けサービスを担うプロダクティビティー&ビジネスプロセス部門の売上高が前年同期比で7-9%増加、クラウドサービス「アジュール」を含むインテリジェントクラウド部門の売上高が約15%前後増加、WindowsライセンスやXbox、Surfaceなどを担うモアパーソナルコンピューティグ部門の売上高が約17%前後減少すると予想されています。

記事作成:2023年2月6日

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ライター:佐藤 隆司(プロフィールはこちら

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