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円高メリットがありそうな関連銘柄5つ

 為替相場の変動は、企業の業績に大きな影響を与えます。昨年のドル・円は、10月21日に1ドル=151.90円台まで上昇し、32年ぶりの円安に振れ、多くの輸出企業にとって支援材料となりました。しかし、10月21日をピークにドル・円は急反落(円高)となり、その後は円高基調です。今年1月3日には129円台半ばまで一時下落し、昨年6月以来の円高に振れています。円安が輸出企業にとってプラス材料になりやすいように、円高は旅行業や小売業などにとってプラス材料となる傾向があります。

 今回は、PayPay証券の取扱い銘柄の中から、円高がプラスに働くと考えられる銘柄を見ていきます。

INDEX

ANAホールディングス | 9202
円高が進行した場合、航空機調達コスト、原油コストが減少。海外旅行客も増える可能性あり。

エイチ・アイ・エス | 9603
燃料サーチャージの高騰や円安から回復に至っていないが、今年は本格的に海外旅行需要が戻るとエイチ・アイ・エス澤田会長が言及。

エービーシー・マート | 2670
円高になるとコスト低減効果によって業績の向上が期待できる。

ワークマン | 7564
昨年12月、130円台まで一気に円高となったタイミングで株が買われた。

ニトリホールディングス | 9843
生産をアジアで行いドル建てで決済しているため、円高ドル安はコストを押し下げ、業績を押し上げる方向に働く。

ANAホールディングス | 9202

 航空大手のANAホールディングスも円高メリット銘柄の1つです。

 ANAホールディングスは、使用する航空機が海外メーカーによって製造されているため、円高が進行した場合、航空機調達コストが減少します。また、営業費用において大きな割合を占める航空機燃料も、その原料となる原油は輸入に頼っているため、円高が進行した場合には、コストの減少に繋がります。さらに、円高になれば、旅行客にとって海外旅行の費用が割安になり、海外旅行客が増える可能性があります。

 ANAホールディングスが2022年12月21日に発表した2022年12月28日から2023年1月5日までの予約状況によると、国際線が前年同期比4.88倍、国内線が同17.2%増となりました。新型コロナ前の2019年と比較すると、予約数は国際線で52.0%減、国内線で19.1%減となり、国際線では新型コロナ前の5割近く、国内線では約8割まで回復しました。

エイチ・アイ・エス | 9603

 円安から円高への反転の動きから、日本からの海外旅行者数の増加が業績の押し上げにつながると期待されるのがエイチ・アイ・エスです。

 エイチ・アイ・エスの月次業績速報をみると、11月の海外旅行取扱高(旧会計基準)は79.02億円とコロナ前の2019年度比では約3割程度となっています。また、昨年11月に発表された年末年始(2022年12月24日~2023年1月3日)の海外旅行予約者数は、2019年比では2割程度と燃料サーチャージの高騰や歴史的な円安から本格的な回復には至っていません。

 ただ、エイチ・アイ・エスの澤田会長は、昨年12月15日の決算説明会で「徐々にではあるが、海外旅行の予約が増えてきていて、来年は本格的に海外旅行の需要が戻ってくると感じている」と述べたほか、海外旅行の売上高は2019年度が3953億円でしたが、2023年度には2000億円、2024年度に2900億円、2025年度に3600億円と伸ばしていくとしています。

エービーシー・マート | 2670

 靴小売大手のエービーシー・マートの製品は、国内工場をはじめ、中国や東南アジアなどの提携工場に製造委託して輸入しているため、円高になるとコスト低減効果によって業績の向上が期待できます。

 エービーシー・マートの直近の業績をみると、12月に公表された月次情報では2022年11月の既存店売上高が前年同月比12.9%増と9カ月連続で前年実績を上回り、都市部や観光地を中心に人手が増加したことや都心部のインバウンド需要の回復などが追い風となり、2022年8月以降は2桁の伸びと好調に推移しています。

 また、エービーシー・マートは新型コロナウイルス禍でも店舗数を増やしてきています。新型コロナウイルス前の2019年2月期の店舗数は1285店舗で、2022年2月期には1407店舗まで拡大しているなど、販売網の構築に積極的です。

ワークマン | 7564

 作業服・アウトドアウエア販売のワークマンは、昨年2月に「価格据え置き宣言」を出し、2023年2月までの1年間、プライベートブランド(PB)製品の価格を全面的に据え置くことにし、昨年9月には全売上高の65%を占めるPBの主力継続製品の96.3%の価格を2023年8月まで据え置くことを発表しました。

 このため、円安による採算悪化が懸念されていましたが、昨年12月、130円台まで一気に円高となったタイミングでワークマンの株は買われました

 円安・原材料高・輸送費高騰という三重苦でアパレル業界は値上げに迫られていますが、同社は価格を据え置くことで競争力を高める戦略をとっています。

ニトリホールディングス | 9843

 家具大手のニトリホールディングスは、10月以降、円高方向への反転と足並みを揃える格好で上昇しています。

 ニトリホールディングスはアジアで家具や家電などの商品を生産、ドル建てで決済しており、円高ドル安はコストを押し下げ、業績を押し上げる方向に働きます。

 似鳥昭雄会長は、2023年の為替の動向について、「1ドル=110~120円ぐらいになる。110円を切るかもしれない」との見通しを示しています。ニトリホールディングスは2023年3月期決済予定分の為替予約を1ドル=147.80円で行いましたが、似鳥会長の予想からすると2024年3月期は為替が同社にとって追い風になる可能性があります。

記事作成日:2023年1月4日

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