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最近パヨクとネトウヨの同化現象が多すぎる件

最近、SNSで政治的に過激なことを発信しがちでお馴染みの「パヨク」と「ネトウヨ」と呼ばれる人たちに奇妙な現象が起きている。パヨクとは左翼を揶揄、ネトウヨとは右翼を揶揄したネットスラングであり本来は対極的な存在、お互いがお互いを天敵とみなしているはずの存在である。
その天敵である両者が似ている、というより同じ種類の人たちなのではないかと思える事例が多すぎるのである。今回はそれらの事例を3つ上げてみる。

政府に雇われたネット工作員を敵視

元々、twitterなどでネトウヨ的言論を行う者の中には政府に雇われた工作員がいる、という説はパヨク側が唱え始めた陰謀論であったと思われる。例えば東京新聞記者の望月衣塑子氏原作のドラマ「新聞記者」の中では、内閣情報調査室の薄暗い部屋のなかでせっせとパヨクにクソリプを送り続ける人々の姿が描写される。

政府機関の薄暗い部屋の中で偉い人たちがパヨクにクソリプを送っている大爆笑シーン

もちろん政府がそのようなネット言論工作部隊を雇っているという話は事実ではない、と言ってしまってはムキーッとなる人もいるかもしれないから表現を丸めて「事実であるという証拠はない」という言い方にしておく(どちらも一緒だが)。
仮に事実だとしたら政府はアホすぎである。創価学会最盛期の800万票でも自民党の補完勢力ぐらいにしかなれないのにフォロワー数千、数万、数十万レベルのインフルエンサー様をどれだけ召し抱えたところでイメージ戦略的な意味などほぼほぼゼロであろう。基本、政治アカウントのインフルエンサーというのはエコーチェンバーの内側で同じ人の耳にこだましてるだけなのでかき集めたところで母数は増えない。
政権側に限らず政治的な勢力を拡大するために最も効率的な方法は愚直に小選挙区で毎朝駅立ちし、ビラを撒き手を振り名前を連呼し握手し続け一人ひとり無党派の支持者を増やしていくしかないのである。SNSを利用するのもいいがエコーチェンバーの内側に向けてバズっても意味はなく、エンゲージメントは少なくても無党派層に訴求しなければムダである。
このように最近までパヨク側の専売特許であった、政府に雇われた無意味なネット工作員がいる説が最近はネトウヨ側にも普及している。

百田氏と言えば最近日本保守党を立ち上げたことからも分かるとおりコテコテのネトウヨであることを疑う人はいないであろう。このように政府に雇われた世論工作員により世論が歪められているというのはパヨク、ネトウヨ共通する認識となっているのである。

電通を敵視

さてパヨクはこれまで一貫して広告代理店、電通を敵視してきた。自民党政権と組み世論を自在に操り民主主義を歪めているという筋書きである。業界大手の博報堂やADK等も政府系の仕事は多数受注していると思うが、なぜか悪者と言えば電通という風に相場は決まっている。例えば有名なところだとテレビ朝日「羽鳥慎一のモーニングショー」でコメンテーターを務めている玉川徹氏は、番組中に安倍晋三氏の国葬における菅義偉氏の弔辞を電通の作文であるという旨の発言をして、SNSでは喝采を浴びたものの謹慎に追い込まれた。テレビ局というのはなぜだか自社に営業力が絶無で、自社の広告枠を電通さんや博報堂さんに埋めてもらわなければ成り立たない組織である。そのテレビ局が菅義偉氏の弔辞は電通の作文であるという虚偽を報道したのだから、さぞかし局内の営業サイドは青ざめたことであろう。謹慎になる事情は分かりすぎるほど分かる。
そんなことより視聴者の1人としては放送局というその辺の野良の三文ゴシップメディアとはわけが違う、放送法で明確に社会の公器として規定されている存在が、菅義偉氏の弔辞が電通の作文であるか否かの電話一本で済む事実確認すらせずに好き勝手憶測を垂れ流していることに驚愕してしまうのであるが、そこは今回のテーマとは関係がないので割愛するとして。電通さんに頭が上がらないテレビ局の人間にすら電通絶対悪説は定着しているのである。
この点ネトウヨは違うかというと、まったく同じである。例えば先日、日清食品のどん兵衛のCMにタレントのアンミカさんが出演したとのことで、ネトウヨ側で不買運動等のボイコット運動が起こった。そこで筆者は「アンミカ 電通」でX内で検索をしてみた結果、以下のようなツイートがヒットした。無数にヒットしたがエンゲージメントが多めのツイートを3つだけ挙げてみる。

どうやらネトウヨ界において、電通というのは反日イデオロギーに基づき世論工作を行っている組織だというのは常識らしい。
政府と組んで暗躍し甘い蜜をすする電通でも、2020年から二期連続赤字に苦しみ本社ビルを売却するレベルで改革に取り組まなければならないのであるから、世の中は世知辛いものである。

不買運動を好む

パヨクの不買運動と言えばサントリー不買運動が有名である。例えば仏文学者でXのフォロワー数は27万人、知の巨人と名高い内田樹氏がサントリー不買運動を行っている。

また元文科省事務次官という日本の子供たちすべての教育に影響する、要人中の要人ポストにいた前川喜平氏もサントリー不買運動を行っている。

なぜこの著名なお2人が不買運動を行われているかというと「桜を見る会」に年商3兆円のサントリーが2017年から2019年の間に毎年15万円ぽっち相当の飲料を無償提供したからだという。なお本件につき特捜部は、参加者への広告宣伝目的であった可能性が排除できないとし、主催者である安倍晋三後援会への寄付にはならないと判断している。確かにサントリー側の気持ちとしては著名人が集まるパーティで自社製品を使ってくれるなら、宣伝効果は大したことないだろうが持ち出しはタダみたいなもんなんだから、ニコニコ笑顔で気前よう振舞って顔売ってきなはれ、となる気持ちは分からなくはない。
話が横道に逸れたがともかく、内田樹氏や前川喜平氏が不買運動を行っている影響かサントリー不買運動は息の長い抗議活動となっている。X内で #サントリー不買運動  で検索すると数えきれないほど多くのポストがヒットする。それだけ広がっているのならさぞかし成果が出ているだろうと思いサントリーの業績を調べてみると・・・

https://www.suntory.co.jp/company/financial/

コロナ禍で落ち込んだ売上を回復させ昨年過去最高売上を達成したものをさらに上回り、今期は過去最高売上を更新する見通しのようである。この世はなんと無慈悲であることか。

このように狭いエコーチェンバーの内部でしか共鳴を呼ばず相手企業の業績にはなんの影響も与えない不買運動をネトウヨ側は冷笑しているのではないか、というとそうでもなくて昨今ではネトウヨ側もせっせと不買運動を行っている。ただパヨク側の不買運動と違ってネトウヨ側のそれは成果を上げているらしい!

これは大暴落じゃないか!こんなに下がっているなら本稿執筆時点の12月12日現在ではさぞかし・・・

不買運動の影響で下がっていたはずの株価が翌日普通に戻っているグラフ

これはどう見ても日清食品株は一日のなかで数百円程度は普通に上下変動する株だという事実を示しているだけで、特に不買運動は株価に影響していないようにしか見えない。この世はなんと無慈悲であることか。

なぜ本来敵対するはずのネトウヨとパヨクがここまで同じような行動をとってしまうのか。それは双方、エコーチェンバーのなかで熱狂的に支持される快感に囚われているだけ、と考えると非常にしっくりくる。憎たらしい政敵を叩けば確かにSNSでのエンゲージメントは増えるが、その数字はエコーチェンバーのなかでこだましているだけのもので外部に届いているわけではない。今こそその怒りのエネルギーを現実に政治を変えていくための言葉に変えていくべき時なのではないか🐶

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