本日のPayPayのニュースから起こる金融サービスの未来について解説します。
こんにちは。PaymentTechnology広報担当です。
本日8/19(木)、日本経済新聞の1面にて「PayPayが中小店から手数料 最低1.6%、規模優先を転換」というニュースが報道されました。
まだ読んでいない方のために内容を要約すると、以下の通りです。
・PayPayは年商10億円以下の中小店舗の加盟店手数料を今後最低1.6%とする方針を明確にした(サービス開始からこれまで3年間は手数料を無料としてきた)。
・手数料を2%代に設定するサービスが多い中、PayPayは1%台に設定した。国内のQRコード決済サービスの中では最低水準になる。
実はこのニュースは金融業界だけでなく、我々の日常生活を大きく変化させる可能性を秘めた出来事ではないかと弊社では見込んでいます。
結論から先に書いてしまうと、これまで銀行中心で回っていた我々の生活がデジタルマネー中心になる未来が考えられます。
どういうことなのか?弊社なりの見解を詳しく解説します。
まず前提として、なぜPayPayが加盟店手数料を業界最低水準に設定したのか?について理解する必要があります。今回の施策にはある2つの層を確保しにいく狙いがあります。
1.現金払いしか扱っていない中小店舗
現状、加盟店手数料を嫌がって現金払いしか取り扱っていない店舗も少なくありません。
他方、2019年10月1日の消費増税に伴い始まったキャッシュレス促進のポイント還元キャンペーンにより、キャッシュレスユーザーは急激に増えてきました。
そのため、今後は現金しか取り扱いがない店舗はユーザーから見ると不便な店舗と見られてしまいかねないため、キャッシュレス決済の導入は避けられなくなります。
キャッシュレス決済を初めて導入する場合、ユーザーが多いため集客効果が高く、加盟店手数料が安いPayPayは非常に魅力的です。
2.クレジットカードを中心に取り扱っている中小店舗
中小店舗がクレジットカード決済を取り扱う場合、3~5%台の加盟店手数料がかかります。
対して、PayPayは1.6%と半分近い安い手数料を設定しました。これにより、カード中心に取り扱っている店舗を確保しにいく狙いがあります。
PayPayはこれら2つの層を確保することで、デジタルマネーの利用をより加速させる狙いがあります。
とはいえ加盟店手数料を下げる分、当然利益も圧迫されます。なぜそこまでして加盟店を確保しにいくのか?
PayPayは将来構想として、データ活用ビジネスを展開する方針を掲げています。
つまり、PayPayとしては加盟店手数料で短期的な利益を上げるよりも、加盟店を増やすことによって得られる決済データを活用して長期的に利益を上げる方針ということです。
また、ここから先は憶測ですが、データ活用ビジネスを予定しているのであれば、決済データだけでなく、給与デジタルマネー払いが解禁された際には給与データの確保も視野に入れていると考えられます。
※給与デジタルマネー払いとは、銀行口座を介さずに給与をデジタルマネーに直接振り込めるようになる政策です(今年1月に報道され話題になりました)。
現状、解禁に向け関係省庁が有識者を交えて法整備を進めています。
ここで重要なのが、給与デジタルマネー払いが普及するためには決済サービスが多くの人に利用されることが前提だということです。
今回の手数料設定によってPayPayがうまく普及していけば、給与デジタルマネー払いも普及して、銀行中心からデジタルマネー中心の生活になっていくだろうという見通しです。
今後、金融業界がどのように動いていくのかは見逃せません。
もし何か動きがあれば追って発信しますので、楽しみにお待ちください。
何か解説してほしい内容や記事に対する要望があればTwitterにてご連絡ください(リプライ・DMどちらでもOKです)。
https://twitter.com/Pay_Technology/status/1405357815259013123?s=20
ちなみに...「こんな偉そうなこと書いてるけど、おたくら何者なの?」という方に向けて少しだけ弊社のことを紹介させてください。
弊社は株式会社PaymentTechnologyと言いまして、社名の通りFintechサービスを運営しています。
今日はキャッシュレスやデジタルマネーに関する内容について解説しましたが、弊社でもサービスを展開しています(ロゴをクリックするとサービスページに飛ぶことができます)。
給与デジタルマネー払い対応予定サービス「エニペイ」
給与を「好きな時に」「好きな金額」「好きな方法で」受け取ることができるようになるサービスです。給与デジタルマネー払いが解禁され次第、対応予定です。
カード決済型法人向け後払いサービス「1month delay payment」
振込指定の経費をクレジットカードで支払うことができるようになるサービスです。
経費の支払いに使うことでキャッシュアウトを遅らせたり、取引先への請求手段として使うことでカード枠内であれば確実に支払いを受けたりすることが可能です。
つい最近、ありがたいことに申込社数が150社を突破した人気のサービスです。
https://prtimes.jp/main/action.php?run=html&page=releasedetail&company_id=19834&release_id=62&owner=1
今後もより多くのニーズに応えるべくサービスを展開してまいります。