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介護にも子育てでも本人はありがた迷惑

現場にいると帰宅願望と毎日戦っています。まあこれは正しい言い方じゃないのですが、納得させたらすごいみたいな介護士のプライドってあるでしょ?

介護士
「今、外出たらコロナって病気にかかっちゃうよ。」
「お泊りの申し込みされてるから泊まって」
ってとか。

利用者
「じゃあ‥‥しょうがないか」

と泣き寝入りさせたら勝ちみたいなこと、うちの現場ではよくあります。かくいう私だって以前は上手に騙してあげることに意義があると思っていました。

でも、もし‥‥なんでもあり介護があったらやっぱり「帰りたい」と言ったら帰してあげたいし、ご飯がいらないといえばやめてあげたいし。
傾聴とか共感とかもういらないと思いつつ。
それができない現状はきっとまだまだあるんでしょう。介護士や家族が元気が全てみたいなところがあるからだと思います。その根っこは医学に従ってやっていることがまだおおきいでしょう。下手したらこちらもそれはしょうがないねと割り切ってることだってあるでしょうし、マヒして違和感も持てないかもしれません。
高齢者施設って私が見た限りでは
「元気でいたい」という人より、
「もう人生長くないしね。思い残すことないわ。」
っていう人が多い。

生きるために生きてるんじゃない!それが現状であり本人の願いのときもあります。

最近、認知症当事者の本を読んだときなんかも思ったけど、いわゆる判断力が弱い人って別に弱いだけでちゃんと自分の事は自分で選べるんだと思うのです。
こどもだってなんだって、選べないって決めるのは本人じゃないですよね。

元気で楽しくがいいっていうのは時に介助者や家族のエゴなんだと思います。そう思うと、ちゃんと、ちゃんと寄り添う介護がしたいって余計に私は思います。子育てだってつい口出ししちゃうけど、本当にそれでいいと本人が決めてことなら失敗するって分かってても、多少常識から外れても見守ってあげるのが本当の優しさなんじゃないかって最近身にしみて感じます。

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