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稲田 俊輔『異国の味』

東京には世界各国のレストランがある。日本人の食に対する好奇心と、本物をやんわり拒む全体性、シェフのアレンジ能力の高さが、現在の独特な雰囲気を作った。エリックサウスの稲田さんが東京(および日本)で独自の変化を遂げた○○料理の解説に唸った。

僕は大学に入るまで、ほとんど外食をしたことがなかった。料理経験なしで自炊を始め、本書にも片鱗の出てきていそうなマニアックな京都の飲食店にたまに出かけていた。その後、就職で東京へ。僕の外食は、バックパッカーとしての現地料理と、旅人と再会するために訪ねたエスニック料理店がほとんどだ。

パクチー料理というジャンルを作れたのは、そういう特殊な環境を偶然泳いできたからなのかと得心した。インド料理のマニア達がガチ料理を食べるために仲間を集め貸し切ったという話には笑った。僕もパクチー料理というジャンルを勝手に確立させるために、パクチーとマニアックな人たちだけ用意していろいろな料理人に丸投げしたなぁ。無茶振りに答えてくれた彼らの心意気により、今がある。


パクチー(P)コワーキング(C)ランニング(R)を愛する、PCR+ な旅人です。 鋸南(千葉県安房郡)と東京(主に世田谷と有楽町)を行き来しています。