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日が少し登ってきて鋭い日差しが差し込む夜明けの夜行列車はインドの混沌とした中でも清清しく気持ちが良いものである。 寝惚け眼で列車の格子越しに外の景色を楽しんでいるとけたたましい声が聞こえてくる。その声は段々と近づいてきて私の耳元で叫ぶのである 「チャイ、チャイー!!」 「一杯おくれよ」 出来立てで熱々のチャイを入れたステンレスの筒状の容器の小さな蛇口からジョボジョボとチャイを入れてくれる。先ほどの叫び声とは打って変わって驚くほど小さな声でチャイの金額を伝えられる