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「魅惑の心理」マガジンvol.115(感情を言語化する大事さ)

自分のことは自分が一番わかっているとよく言われます。確かにそうした側面はありますが、いつも当てはまるわけではありません。特に自分の心の中に湧き上がってきた感情を正しく言葉にすることは難しいことです。人は自分が感じたことですら、正しく表現できないことがあるのです。

そして、いつまでも言語化できない感情が心の中にあると、スッキリしないで自分が自分のことをよくわからなくなってしまうこともあります。特に子どもは語彙を大人のように持たないため、自分の気持ちを正しく表現できずに苦しむ事もあります。今回の「魅惑の心理」マガジンは、感情を言語化することの重要性と言語化する方法について考えていきたいと思います。

○感情を言語化する重要性

人は自分の心の中に湧き上がってきた感情を言葉に変換して自分の感情を相手に伝えます。このときに相手に伝えるだけではなく、複雑で揺れ動く感情にもっとも近い言葉に置き換えることで、この感情は○○だと気持ちを整理しているのです。たとえば相手に不快な感情を持ったときに「怒る」という言葉なのか、「激怒」なのか「イライラ」なのか「キレル」なのか「ブチギレ」なのか近似値を探しているのです。当然言葉をたくさん持つ人は細かく使い分けますし、ボキャブラリーが「怒る」と「激怒」しかない場合は、どちらかに振り分けるしかありません。あまり気にしない人もいますが、近い感情を表現できたときは心がスッキリしますし、近い言葉がない場合はモヤモヤしたり、逆に感情を言葉に合わせてしまうこともあります。感情を言語化できることは重要なのです。

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