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こっくりさんとは何なのか? (その危険性と可能性)

ポーポーはお化けの話や超常現象といったものを聞いたり、体験するたびに、本当に「霊」「幽霊」の仕業なのか、子どもの頃から疑っていて、実は別のものかもしれないと考えたり、本当に不思議な存在があるならその正体を紐解きたいと考えてきました。そもそも人間だけが幽霊になるという(諸説ある)ことが不合理だと感じます。仮に動物でも犬から猫、もし昆虫まで含めて幽霊化するなら、「見える人」にとってとんでもなく暮らしにくい世界になりそうです。3年前に世の中に未練を持って亡くなった蟻の幽霊が見えたら、それは辛いと思うのです。
 
世の中にあるスピリチュアルなものを全部否定するわけではなく、科学的なアプローチでわかるものは解明していき、本当に理解できないものを科学や理解を超えた存在として認めたいと思っています。科学は万能ではありませんが、科学的な視点を忘れたら私たちは何かに振り回されるだけと思います。そして、科学で全てが語られると思うのは人間の傲慢に他ありません。

今回は「こっくりさん」という狐の霊を呼び出す降霊術について話をしたいと思います。こっくりさんは紙に「はい」「いいえ」、鳥居、数字やひらかなをの五十音を書いたものを用意し、その上に硬貨を置いて、複数の参加者の指を置き(4人ぐらい)、こっくりさんに語りかけると、不思議なことに硬貨が動き出して、質問に答えてくれるというものです。
 
私が子どもの時代には、口裂け女や心霊写真など、幽霊ブームのようなものがあり、こっくりさんもそんな流れのひとつとして、放課後に何人かが集まってよくやっていました。子どもは未知なるものに対して興味を抱く、「怖いもの見たさ」の願望が強くあります。また、質問をすると答えてくれるという現象が、「降霊術」というよりも「占い」「遊び」の延長として捉えられており、誰が誰を好きかといった恋愛の話に絡めることで、「霊」という怖さと、「恋愛」というドキドキとが混ざり女子を中心に盛り上がっていました。私は小さい頃から他の人が見えないものを口走ったりするので、変な人という扱いを受けて、こっくりさんなどをやる際にはメンバーとして入れられたものです。
 
誰もが最初は怖いけど、一回やってみると面白くて、ハマる人がどんどん増えていったことを思い出します。恐怖によるドキドキは時間経過とともに、脳は面白かったドキドキや「知らないことを知る」といったドキドキと誤解してたり強化されて記憶されていくのです。心理学で見てもこっくりさんは病みつきになる要素があります。

最初はそんな感じでみんなは捉えて楽しんでいましたが、あるときに意味不明なトラブルが続出するようになり、保護者や先生の耳にも入るようになり、一部の学校では「こっくりさん」禁止となった学校もあります。自分たちの周りだけでなく、不思議な話がどんどん増えてきて、他の学校の事故の話を聞くようになってから、なんとなくその正体がわかりはじめてやらなくなり、友人がやろうとすると止めていてと思います。
 
参加者が頭痛や気持ち悪いと訴えたり、他の学校では失神する子も出たという話を聞きました。複数の人が同時に失神するといった話もありました。そして、こっくりさんをやったことで人伝いに亡くなった人がいるという話も聞くようになったのです。
 
今回はこのこっくりさんの正体に迫り、その危険性をお話ししたいと思います。動物霊や低級霊のようなことも言われますが、そのような類のものではないと思っています。また、単に「怖かったでしょう」という話ではなく、そこから人間というものの姿や何かの可能性を見つけていきたいと思います。

(目次)
・安易にやると怖いこっくりさん
・科学者たちが研究したこっくりさん
・こっくりさんの事故を検証してみる
・霊からの防衛と可能性

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