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人はなぜ花火を求めるのか?(花火大会の心理効果)

日本の風物詩として各地でおこなわれる花火大会が盛んです。人はなぜ花火を見に行くのでしょう?
花火の何が魅力なのでしょうか?

花火を心理学で語ろうとすると、だいたい恋愛心理的にたどりつき、男女で行くと恋が芽生えるという話がよく語られます。確かに花火大会には男女の関係を進めるのに効果が認められる心理効果が複数あります。私の知り合いに恋愛マスターヨーダと呼ばれる恋愛の達人がいます。彼も花火大会は非常に恋愛成就のツールとして使えると語っていました。

恋愛マスターヨーダの話は長くなるのでまた今度にして、今回はあえて普通の人が花火に惹かれてしまう理由というあまり語られない話をしようと思います。恋愛マスターヨーダは花火を見て「綺麗」と言った女性に「君のほうが綺麗だよ」と言いますが、単にマネするだけだと、花火を見て「すごい迫力!」といった女性に「君のほうがすごいよ」と言って、花火のように消える人がいたのは有名な話です。

そもそも、なぜ花火に惹かれるのかという心理効果を見ると、主要な効果が複数個見て取れます。もちろん個人差があり、人によって利く効果もあれば効きにくい効果もあります。そしてその効果を知ると他のビジネスにも応用できるものがありそうなのです。

もくじ

 人を魅了する花火の心理効果とは?
  ◎明るさで心理が変化する「暗闇効果(親和欲求・開放感)」
  ◎行動誘因になる「限定旬効果」
  ◎音は耳でなく皮膚でも聞いている「ハイパーソニック効果」
  ◎実は花火の「○」にヒミツがあった。中毒性を作る○○効果


◎明るさで心理が変化する「暗闇効果」

人は暗いところにいると多くの人は不安を感じ、誰かと寄り添いたいという気持ちが高まります。アメリカの心理実験で「明るい部屋」と「暗い部屋」に入った初対面の男女を観察したところ、明るい部屋に入った男女は同性同士で集まり、当たり障りのない話をするなど初対面の男女が一般的に取る行動をしました。ところが暗い部屋に入った男女は当初は言葉が少なめだったものの会話がよりプライベートなものになるようになり、しだいにボデイタッチをする人も出て来て、抱きつくような行動をする人もでてきたといいます。この心理効果を暗闇効果と言います。周囲の明るさが変化すると心理面でも変化がみられるようになるのです。この効果で考えられるのが暗いことによる不安から親和欲求(誰かと一緒になりたい)が高まり、誰かに寄り添いたいという気持ちが高まったことと、外見的な部分が気にならなくなり(相手の感情、自分の自信がない外見)、開放感が増していった思われます。

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