「魅惑の心理」マガジンvol.150(コロナの影響で高まる心理傾向)
人の心理傾向(思考傾向・行動傾向)は時代とともに様々な影響を受けて変化していきます。特に近年の新型コロナにおける環境変化は、多くの人の心の変化を生みました。もともとツールの変化をはじめとする自分を取り巻く様々な変化で、人の心も変わっていましたが、今回はコロナの影響で、特に変化してきた心の変化について考えていきたいと思います。大きな心理変化を見ていると5つほど変化が見えます。今回はそれらについて考えていきたいと思います。
1. 攻撃性性格の増加
何か自分に不快なことがあると、「自分のせいだ」と考えて落ち込む人と「誰かのせいだ」と原因を他人のせいにしやすい人がいます。近年は後者のような、自分ではなく他人のせいと考えて自分の心を守る人が増えています。悪いのは自分ではなく、周りの誰かのせいだと考えます。
こうした人の心の奥にあるのは、失敗や苦痛を受け入れられない心の弱さです。失敗、不快な会話、反応などがあると、その原因が自分のせいだと考えると自分の心が辛くなります。苦痛です。そうした不快なことを受け入れられずに、他人のせいにして自分の心を守ります。怒りの原因は自分の思い通りにならないことに対する予想不足ともいえます。事前に想定してあれば多くのイライラを回避する行動をしたり、思い通りにならない結果を受け入れることもできますが、想定ができていなかったためにイライラを生むことがあります。これはコロナとは関係なく近年の傾向でもありますが、コロナ禍において不安が高まり、不安定になり、想像力が低下している影響も大きく高まっているものと考えられます。
また、未知ものに対する不安もあるでしょう。人は未知なものを恐れ、拒絶する傾向があります。明らかな殺意を持って迫り来る殺人鬼よりも未知のお化けを怖がる傾向があります。お化けは何者か、どう行動するかが予想できません。次に何が起こるかわからない、そんな恐怖が強くあるのです。心理学を勉強すれば殺人をする人のほうが貞子よりも何倍も怖いことがわかります。
さらに、近年高まっている自尊感情の低下とも無関係ではないと思われます。自尊感情が低い人は自分の責任を受け入れにくく、他人のせいにする発言をしがちです。攻撃的になっている原因は他にも複数あり、複雑に絡んでいます。
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