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美味しく魅せる料理の色彩

せっかく作った料理は、味がよくても見た目が悪いと美味しそうに感じにくくなります。料理の味が本質だとすると、料理の盛り付けや見せかたは、演出の部分です。本質は大事ですから、味にこだわるのはもちろんですが、見た目も工夫して、演出部分でもおいしそうに見せていきたいと思います。

料理の見栄えが良いと、おいしそうに見えるだけでなく、健康にもなります。また、好き嫌いが起きにくいこともメリットとしてあります。そんな料理と色の関係についてお話をしたいと思います。

[目次]
○色と食の心理
○簡単、この色遣いで料理は変わる
○体に良い色を美味しく食べる方法


○色と食の心理

色彩心理の中でも色と食欲の関係は非常に複雑なものとされています。個人が持つ記憶の影響(美味しかったもの)や文化的な影響を強く受けて、それが複雑に影響を与えるからです。食欲を抑制する色として青はよく知られていますが、青を見ると食欲がなくなるという単純なものではありません。なぜなら青は皿などによく使われ、食品を引き立てる色として極めて優秀な色でもあるからです。

食欲を作る色は個人が持つ記憶の影響差が大きいものです。感じ方も異なりますが、その辺りも加味して色と料理について考えていきたいと思います。海外でオレンジジュースを使った実験では、「赤く着色」ジュースをもっとも美味しいと感じ、「緑に着色」ジュースは酸味が強いと答えたといいます。私たちは直感的に食品の色の影響を受けて、味覚の感覚まで変えられていることがわかります。

○簡単、この色遣いで料理は変わる

では、具体的な色の話をしていきます。下記の写真を見てください。ご家庭の朝食をイメージした写真です。

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普段何気なく食べている普通の色だと思います。これから「料理と色」の話を聞こうとしているみなさんは、「あれ、ちょっと色が少ない」と思われるかもしれません。日本料理は懐石料理など、素材の色と器の色を楽しむ文化はありますが、一般的なご家庭では、付け合せの色を工夫するぐらいで、さほど色を意識する人が多いと思われます。

近年、料理に限らず多様な色彩文化の中で暮らしていると、料理の色も無意識に物足らなく感じていることが想像されます。そこで、色彩心理の観点から、簡単に色遣いで美味しく見栄え良くなるポイントを説明します。鮮やかな色彩は見栄えだけでなく、色は強い旨味まで演出してしまうのです。


1. 料理を引き立てる色の基本は「緑」と「赤」

日本の一般的な料理であるハンバーグ、唐揚げ、カツ、生姜焼きなどメインが茶色系のなることが多いと思います。この茶色をそのまま出すと美味しく感じにくいです。極端な例を出しますと、下記のようになります。

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おなじ唐揚げです。下は緑と赤が差し色として入っていますが、右はそのままの料理だけの色です。光量の違いはありますが、見比べてみるとその差は大きいと思います。

このあたりは、みなさんも気にしている部分と思います。もっとも簡単な方法はメインの料理に対して「緑」の葉物を付け合わせに出します。でも、ここで終わってしまう人が割と多いのです。そこでもう一色、赤を加えてください。赤で一番楽なのはプチトマト、トマトです。栄養価も高いのでこれはおすすめです。カラーパブリカなどは価格も高いですし、なかなか使いにくいのですがトマトは楽です。

私は冷蔵庫にプチトマトとトマトのどちらかは常備するようにしています。海外では「トマトが赤くなると医者が青くなる」という言葉があります。

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