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昨日に続いて、猛暑を予感させる朝だった。 公園脇の道を、駅へ向かう勤め人たちが黙々と歩いている。 この公園を横切った方が駅まで近いのに、足を踏み入れる人はいない。 その理由は、木陰にずらっと並び立つ段ボールハウスにあるのかもしれない。 しんとした園内にひとりの女性がやってきた。隙のない身なりで顎をツンと上げて歩く、気高そうな女性だ。 途中、女性は地面に落ちている何かに気づく。二歩ほど過ぎた後に引き返し、腰をかがめて手に取った。 しばしそれを眺めて、辺りを見