今日と明日と明日の昨日、そして今

今日何をしたかを語るために、明日何をするかを語ろう。

明日、起床するのは多分10時くらいだ。一般的な同年代の人々と比べるとなかなか遅い起床だと思う。それから歯を磨く。歯を磨きながら今日はどうやって過ごすべきかを考えるんだが、昨日書いた日記を思い出して、今日はそれをしなくていいかと思う。歯を磨き終えて、次に青汁を飲む。青汁を飲む前に、コップが昨日のんだお酒の影響か、アルコール臭かったのでコップを洗い、それから青汁を飲んだ。昔、「不味い、もう一杯」というCMあったよなとか思い出しながら、朝食の準備をしようとする。何を食べようか。冷蔵庫には好物の筋子がタッパーに切られて入っていて、それで済ませてしまおうかと考える。でも11日に消費期限を迎える豚ロースの切り身があるから、それを食べるか悩む。やはり納豆と豆腐の味噌汁、卵焼きにしようと思い、昨日面倒くさくて洗わなかった食器たちを洗い始める。昨日の晩はトンカツとカキフライを作ったから油が皿にこべりついていて、ほんの少しだけ昨日洗い物をしなかった後悔をする。こんな思いを朝からするのであれば、昨日の晩にやっておけばよかったと。
朝食をすませて、コーヒーを入れ、デスクの前に座る。「さぁ、何から取り掛かろうか」と呟いて、noteを開き、そこに書かれている昨日の晩に書かれていた日記を読む。そこには朝食をすませ、コーヒーを入れ、デスクの前に座った後にどの仕事をするべきかのヒントが書かれている。やること自体はいくつか候補があるが、朝から仕事をするのには腰が重い。日記に従ってさえしまえば、指示書通りに働くロボットになれる。昨日の日記にはこう書いてある。

それから仕事をした。

明日読む昨日の日記

とりあえず、コーヒーを持ってキッチンの換気扇の下でタバコを吸いながら、昨日の自分がいかに愚かな人間で、それにより今の自分がいかに悩まされているかを説教したくなる。そう思いながらも、そう思えるということは昨日よりマシな人間になっているってことだな、とか思う。
やらなければならない仕事はいくつかある。確定申告もそうだが、動いているプロジェクトの素材を見つけなきゃいけなかったり、別件の内装のデザインについてもう少しアイディアを出すとか、グラフィックデザインの見積書を制作しなきゃとか。どれから始めていいかわからないが、日記に従うとしようと決めた。それから仕事をした。

日記の続きをどう進めるかを考えながら、コップに白だしと焼酎、そして友達からもらった梅干しを入れて飲む。さて、この後どうしようか。その前にきっとこのコップは洗わずに寝てしまうだろうな。明日の朝歯を磨く時にコップのアルコール臭が気になってコップを洗う…というのを日記の最初に足そう。いや、青汁の時だな。それにしてもしょっぱくてこの梅干しは最高だなと思った。

仕事もひと段落した。今晩は昨日行けなかった映画館に行く。見る映画は「エブリシングエブリウェアオールアットワンス」という映画だ。昨日はトンカツを食べ過ぎてしまったせいで、一眠りしてしまい映画館に間に合わない時間に起きてしまった。昨日は代わりにネットフリックスで「the power of the dog」という映画を見た。その後にそのメイキングも。日記を書きながら明日見る映画がマルチバースを描いているから、「ドクター・ストレンジ2 マルチバースオブマッドネス」のメイキングも流していた。
そんなことを思い出しながら、もし並行世界があったとして、自分はどうなっているだろうかと考える。マルチバース状の自分は一体何をしているのか。例えば昨日書いたこの日記を投稿した時点から、幾つもの並行世界があったとして、自分は一体どう変化することがあり得るかを考える。そうだな、日記に書かれていた事とは全く違うことをしている自分がいたら、今の自分はどうなっていたのだろうか。

映画を見た。感想は明日の自分がきっと日記に書いてくれるかもしれない、そうはならないかもしれない。映画を見て友達と少し話し、そして帰宅した。寝る前に筋トレをして日記を書く。さて、どんな日記を書こうか。試行錯誤考えながら日記を書きおわり、今日もちゃんとやることだけはやれたと思いながら眠ろうと布団に入る。ふと思い立って昨日書いた日記を読みながら、昨日の自分に対して少し腹が立つ。「昨日の俺、バーーーカ！」、よし言ってやったぞ。これで心地よく寝れると思ったが日記には続きがあった。

明日の俺へ、バカはお前の方だ。