認知

 春に新人戦があったものの初心者で試合がうまくいかないチームはバラバラであり、参加したのが10人だった。特別に1人借りて試合にオープン参加していいことにしてもらった。借りられたのはエース間違いなしの隣の学校の1個上のMFの清水さんだった。
 私はCFのポジションで、ツートップのような形になった。だいたいの試合の流れは頭に入ってくるのだが、その人の位置情報が微妙にズレるのである。気をつかうところもあり連携がなかなかうまくいかなかった。
 「おーい、お前ももう立派に県を代表するエースストライカーなんだから思い切りやっていいんだぞ」なんて声をかけられるが本当にうまくやれる自信がなかった。チームはバラバラのまま、試合に連敗して特に目立った活躍はできなかった。

 どうやらこの頃は私と清水さんの2人が県だけではなくブロックのエースプレイヤーとして認知されていたようで、その後は執拗なマークに遭うようになった。チームがまとまらないため相手は平気で2,3枚のマークをつけることができ、ボールが回らないように固められたため、なかなか3点以上取れる試合がなかった。

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