リベンジ

 さて、転勤でレギュラーが抜けたり監督が変わって戦術がバラバラなまま全国に行き、流石にそのままで全国の強豪とは渡り合えなかったが秋には何とかチームは立て直され、リベンジをしようということになり、遠征に出かけた。
 相手もその辺りはよく練習をしており、一進一退の攻防が続いてたが、我々のチームの連携がスムーズで2-1でリードしたまま後半戦に突入した。そこで事件は起こった。
 味方のセンターバックがボールに向かったところで突然、アニメのように一瞬、辺りが真っ暗になった。
 (来る…)
そして真ん中から門に入り、そこでパスを受け、するっとターンをして一気に最終ラインの2人を抜き去った。GKと一対一になって抜き去ろうとしたその直後だった。

 世界が消えた。

 と思ったら光が差し込んできた。

 胸をドンドン叩かれて目が覚めたようだ。今から思い返すとGKが胸に肘打ちをして心臓が止まったらしい。

 その後は交代となり、もうその日は大事をとって(という場合ではなかったがチームの誰も心停止の知識を持ってなかった)、後の試合は欠場した。

 ただの九死に一生を得たエピソードではなく、これが私を変えた出来事だった。

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