追放

 選抜チームに推薦され、全国大会優勝を達成するべく夏休みに練習会が開かれた。すでにU-15に合流していたため、モチベーションはあまりわかなかった。
 私としては推薦者に気を遣って終止無難なプレーを心がけた。特に可もなく不可もなくやれたと思っていた。

初日が終わり、帰り支度をしていたのだが監督が帰ってこない。勝手に解散することはできないので1時間以上もまっていたが、それは他のチームの子も同様だった。

 みんなの体がすっかり冷えた頃に憤然とした表情で監督は帰ってきて、みんなで車に乗った。走り始めると
 「にんにんはもう来なくていいってさ。」と言われた。小さくガッツポーズする空気ではなく、さすがにそれは自重した。まとめると

1.1番うまいのは間違いない
2.監督もコーチもプレーが理解できない
3.他のチームメートがついてこれない
4.止められないので練習にならない
5.転校することが分かってるので合わせたくない

などなどであり、追放するかどうかでずっと揉めていたらしい。ご苦労なことだ。私は遅い夏休みの計画を考えながら外の景色を眺めていた。

「あ、西日本大会あるからな。今年も優勝するぞ。」

この一言で現実に引き戻された。まだ小学生の試合が
あるんですか。。

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