🗼🗾🍑県外人のわたしと、ふくしま。／福島県主催プロジェクト参加を通じて記憶を遡る

📰 #Make_it_ふくしま プロジェクト🎉始動
✴憧れは #直川貴博 🎤アナウンサー
👤  #かすかだり ・ #しんけたがり の県外人 💭 #東日本大震災 💭 #コロナ禍

まえがき：執筆の経緯

福島県が主催する、半年間（'22年8月～'23年2月）のプロジェクトに参加する運びとなり、今までのふくしまの認識と関わりを振り返ることにしたものです。
説明会では、福島県庁の方と交流させていただき、そのお礼も込めて、書き出してみることにしました。

＼食でつながる／Make it！ふくしまプロジェクト
●募集要項→https://smout.jp/plans/8043　
●詳細案内→https://fukushima-makeit.jp/

福島の興味を尋ねられ、「福島中央テレビの直川アナウンサー」と答え、「ノウパンさんですね？」と回答されて喜び勇む❝かすかだり❞（調子者）ですが、お手柔らかによろしくお願いいたします。

執筆前日、磐越西線が不通になるほどの大雨と、福島県沖での地震が重ねて発生しました。
他方、昨今のコロナ禍を乗り越え、３年ぶりの祭りが実施され、賑わいの復活が見られます。

※投稿当日は、以下3つのお祭りが開催期間中です。
　福島わらじまつり→https://www.waraji.co.jp/
　郡山うねめまつり→https://www.ko-cci.or.jp/event/uneme/
　いわき七夕まつり→https://www.gurutto-iwaki.com/detail/1966/index.html

お見舞いとお慶びの心情を交錯させながら、以下、綴ってまいります。

時系列で体験した限りをそのままつづっていますので、まとまりがない拙筆ですが、ご笑覧いただけますと幸いです。

１：出生後、県外から見ていた福島

関東出身・在住の私は、福島県内に親戚の存在もなく、歴然とした県外人です。

但し出生地と母方の親戚の住まいが常磐線（各駅停車）沿線であり、東京郊外の自宅から年に何度か訪ねる際、横を追い越していく❝スーパーひたち❞号の「いわき」行きの行先表示に、旅情を感じていました。

鉄道の中でも、駅で流れるメロディの興味が強い（やがて作曲も始めた）私は、
・福島駅 「栄冠は君に輝く」（新幹線） 「高原列車は行く」（在来線）
・郡山駅「キセキ」（新幹線）「扉」（在来線）
・会津若松駅「AIZUその名の情熱」
・いわき駅「フラガール～虹を～」
・原ノ町駅「相馬流れ山」
といったご当地発車メロディの存在で、地域のイメージを捉えています。

幼少期の記憶で、自宅で至：「平」駅と書かれた路線図をたどった記憶があります。
それが「いわき」駅だと分かったのは、小学生に入ってからでした。
（※1994年に平駅がいわき駅に改称され、私は1990年の生まれです。）

すると、福島県内で初めて滞在するなら、浜通りになりそうなものですが、常磐地域は、未だに最北で茨城県の日立市までしか訪ねたことがありません。

結果として、30歳を迎えて、会津と中通りには滞在歴がありますが、浜通りは未訪問であり、予想とは逆転した結果になっています。
中通りから出身地の千葉県内を目指したことがありますが、いわきを経由せず、水郡線で水戸に出てしまいました。
いわば阿武隈高地の壁は大きかったようです。

未成年時代は、まだ県内のどこにも滞在歴はなかった中で、東日本大震災が発生します。

２：東日本大震災発生当時（21歳）

⚠この章は、まだ福島現地に滞在する前ですので、初めて現地入りした話をご覧になりたい方は、次章に進んでくださいませm(__)m

◆当時は、関東で大学生活を送っており、地震の発生当日は、東京の自宅で過ごす春休み中でした。
（※日没後も停電が発生しており、電車で帰宅できなくなった父を車で迎えに行きました。）

大学3年生だった私は、徐々に学外での活動を増やし、特に西日本を中心に国内各地の対話の場（ワークショップ）を回るようになっていました。

――ですが、その対話を通じて生まれた交流においては、特に支援者という立場で関係構築を図っていたわけではありません。

すると、支援が求められる復興ボランティアに私は及ばないと、私は東北現地に足を運ぶことすら、躊躇してしまいました。

新たな地域や人々への興味を、持ち出してはいけないと思ったからです。

特に、当時の報道で、
・震災ボランティアが就職活動の自己PRに利用されている
・物資の供給が、避難所ごとの需要に合わせて再分配されていない
・同じ福島県内というだけで、異なる地域事情を踏まえずに風評被害が起きている
という内容が聞かれました。

これはますます、無知の人が支援に関わると迷惑になるのではないか、とますます東北への足は遠退きました。

自分一人の偽りのない意思で出向くつもりでも、無自覚にその無配慮な一員になっていたら、と懸念したのです。

◇一方で、同年度末頃、東北から離れた西日本でも、復興ボランティアの経験談を伺う機会や、震災を主題とした対話の会が開かれ、震災から１年、記憶を風化しないためにと思うと、前向きに参加するようになりました。

その中で、福島現地からの参加者と出会い、徐々に福島を訪問する機運が開けてきます。（次章）

対話において、「阪神淡路大震災の被災経験を基に、東日本大震災では力になりたいと思った」という話を聴くと、ますます私の当事者意識が遠のいてしまったところもあります。

しかし、「微力でも無力ではない」と、同年代のボランティア経験者からの言葉が特に耳を引きました。

果たして自分の力が役に立っているか不安に思えた時、別の仲間から聞いて大切に思い返した一節だそうです。

それならば、私がこうして初対面の人が集う対話の場に参加して、少しでも培った傾聴力を中長期的に活かしていきたい、と思えるようになりました。

それは、物理的に復興を遂げても、心理的な伴走が必要とされる人たちに対して、❝時間が経過した❞後にこそ活かされるだろうと信じています。

決して、支援者と被災者という関係性での出会い方ではなく・・・
私の中で東北が少しずつ馴染み深い場所になり、実際に東北の人と対等なつながりを持つ中で、必然的にお互いが助け合う関係になれていることを望みます。

すると、むしろ私の中では、時間をかけることがむしろ必要だったのだなあと、20代の優柔不断な自分を恥じらいつつ、前向きに振り返るところです。

３：震災翌年、初の福島県内滞在（22歳）

偶然にも大学のフィールドワークの授業が会津地方でした。

更に、つい1ヶ月前、西日本で参加していた震災にまつわる対話の場（※）にて、会津地方から足を運んでいた学生さんと同席しており、早速再会のお約束をさせてもらいました。
（※その会は山陽地方の地元民向けの会で、東京の私が最遠の参加者だろうと思っていただけに、想定外のご縁でした。
　また、授業が現地集合・解散でその前後は自由行動だったため、実現した再会です。）

会津若松駅で集合した後、車で近隣を案内してもらいました。
鶴ヶ城に立ち寄ったほか、仮設住宅地区を走行しました。
お会いした学生さんは、現地のボランティアとして、外壁を塗装するプロジェクトに携わっていたそうです。
震災から１年３ヶ月が経過して、初めて震災にまつわる景色をこの目で捉えたと思いました。（千葉県で放射線測定器を目にしたことがありましたが。）
特に震災後、関東に避難している方々がいらっしゃる話は全国ニュースでも聞きましたが、福島県内での避難となるとよく知らなくて、東西166キロの福島の広さを実感した場面でした。

それ以降は、仙台の方とも交流を始めたので、福島は旅の道中で立ち寄る場所になりました。

４：コロナ禍での県民・県内著名人との出会い、11年ぶりの大地震（30歳・2020年～）

◆コロナ禍ではオンライン企画が増え、生粋の中通りっ子の方と知り合いました。

特に、地域を越えた交流を図っているという意識はなかったのですが、ある会で別の福島ご出身の方が同席した時に、福島弁で会話を始めるという場面があり、そこで❝福島県民❞の方なのだと認識を強めました。
（※上述の福島県主催のプロジェクト応募に当たっては、独自に取材を行い、観光・生活・復興など、様々なお話をお聴かせいただきました。）

◆また、2022年春、滞在先の端末でログインしないまま漠然とYouTubeを観ていたら、「おすすめ動画」で福島中央テレビ（以下、中テレ）の直川貴博アナウンサーが全国放送に出演された際の公式動画に出会ってしまいます。
（その時点で半年前の動画がなぜお勧めされたのか、未だに理由は分かりません。）

それ以降、中テレさんのYouTube動画を調べるようになりました。
（※中テレさんのテレビ放送そのものは、県内でしか視聴できませんが、
　コロナ禍の❝おうち時間❞の需要が高まって以降、ChuTubeという公式アカウントから、ライヴ配信を含む映像コンテンツが配信の頻度が高くなり、県外からでも一通り詳しくなってしまいました。）

また、各アナウンサーさんがＳＮＳでの情報発信をなさっている中で、福島県への関心も高まったと感じます。
例えば、帰宅困難区域だった「夜の森の桜並木が１２年ぶりに立ち入り可能になった」情報は、アナウンサーさんが司会を務める桜まつりの情報を通じて存じ上げました。

・・・忘れられない思い出として、直川アナウンサーを知った数日後に、大地震が発生しました。
東京郊外でも真夜中に停電が発生し、辺り一面が暗くなる中、充電式のラジオ放送で「震源は福島・・・」と聞こえた時は、祈るばかりの思いでした。

その週末、中テレさんがYouTubeで２７時間配信（ふくしまを盛り上げるテレビ）を行い、県外では貴重な生放送を視聴できる機会がありました。

当初、あっけらかんと振る舞っているアナウンサーさんを見た時は、「心配した気持ちを返して」と少し思ってしまったところもあります。

ですが、後日、現地の方からの声を聴いたところによると、「東日本大震災を経て防災意識が備わっているから、驚かずに行動できた」とも聞きました。

無理に盛り上げようとしていた様子でもなかったので、県外で受け取る災害情報と、県内の住民らの所感には隔たりがあるらしいことを痛感する出来事でした。

◇今回の大地震で、特にボランティアの募集は聞かれない中で、私は今回こそしっかりこの目で記憶に残したいと思い、福島と仙台に足を延ばしました。

東北新幹線が不通の中、臨時快速が全車自由席で運転されても、郡山までは通勤列車のような混み具合でした。

更に、当日の橋梁の点検で損傷が見つかり、福島県以北で在来線も寸断され、白石・仙台への快速は運転取りやめ、バス輸送になってしまいました。（※後日、宮城県の大河原周辺を歩いていると、道路が隆起した状態で舗装が傷んでおり、これも地震の影響かと思いました。）

５：ゴールデンウィークでの再訪と旅の出会い（32歳）

東北新幹線も全線再開し、コロナ禍の感染者数も抑制されていた頃合いでしたので、今度は「実際の福島のテレビ放送を観に行こう！」という理由で、僅か2ヶ月ぶりに郡山に出向きました。

現地の方々との交流を目的とする私にとって、特にお約束を入れず、観光を動機とした単独での旅は珍しいものでした。

その春、前述の直川アナウンサーが、県南の戸津辺の桜を中継したことを機に、「福島で桜を観たい」という理由もありました。

桜は当然県北になるかと予想していたのですが、５月上旬の郡山市内でも、猪苗代湖周辺の舟津公園のの桜であれば、まだ観測できることが判明したのです。
→https://sakura.kanko-koriyama.gr.jp/
（※地元の方いわく、「青森の弘前の後に、湖南に桜前線がやって来る」とのこと。）

なので、ほぼ日帰りで、昼に献血をしながらテレビ鑑賞をして、夕方に桜を観て、夜は郡山市街地で一泊する、という計画でいました。

バスを乗り継いで目的地周辺の湖南町に降りると、現地の声から、まるで待ち合わせていたかのように、「乗っていきなよ」と声をかけていただき。

福良浜その他周辺をご案内いただき、一泊させていただきました。
（※現在は東京在住の方が帰省中だったとのことで、その後東京でも一度お会いしています。）

図らずも、直川アナウンサーがその春から新担当となった天気予報のコーナーを、県内のお茶の間で観賞するという、思いがけないことが実現してしまいました。

その時点で、一旦、直川さんの存在の大きさが自分で抱えうる最高潮に膨れ上がったため、追っかけとしても見切りをつけました。
もし、ファンであり続けるなら、ふくしまに残って、直川さんの出演番組を一通り追跡するぞ！と完璧主義をすり減らす❝しんけたがり❞（神経質）が発動しそうだったからです。
他方、いつ直川さんにお会いしても恥じないように、自分自身を肯定できる人になりたい、と熱量が向きました。
福島の情報は時折仕入れながら、距離を置いた日々を過ごしていました。

５：実施母体「はじまり商店街」との出会いとプロジェクト参加の決意

しかし、直川アナウンサーへの❝憧憬❞を切っても、一度、福島の情景をそれなりに知ってしまったご縁は切っても切れないらしく。

遂に7月上旬、冒頭で述べたプロジェクトに出会います。

「食でつながるMake it！ふくしまプロジェクト説明会」
https://peatix.com/event/3286842/view

運営の「はじまり商店街」という団体には、かねがねお世話になっていました。

地域や分野を限定せず、賑わいを創出し、オンラインでも企画を開いてくださることから、前年度の冬から定期的に企画に参加させていただくようになりました。

そのイベントの一つで、このプロジェクトの告知を受けました。

正直な心境として、自分は復興ボランティアにも行かずじまいで、福島には申し訳なさもよぎりました。
また、地域活性化関連の取り組みは、学生時代から何度か挫折してきた分野であり、不安も伴いました。

しかし、10・20代で限定されてもおかしくない企画内容を、30代にも開放してくださっているのは、再挑戦の最後の機会だと思いました。

幼少期から蓄積してきた地理の知識と、対話の場づくりで培ったチームビルディングの能力は、単体では活かせても、掛け合わせて地域活性化に貢献するには順応ができず、学生時代から挫折してきました。

それでも、直川アナウンサーやオンラインの知人がきっかけとなり、更に福島の文化や言葉をあれこれ学習していた自分にとっては、ここが活かす場所に違いない、と思いました。

（県内出身者を含みつつ）県外在住者が対象の本プロジェクト。
私自身、居住歴がない中で、物知りな人がいると面白いことになりそうだ、と客観的に思えたのです。

第2章で述べたような、初対面の人々が集う対話の場で培ってきた傾聴力に関しては、チームメンバーに還元できればと考えています。

プロジェクトの進捗状況は、定期的に情報発信をし、'23年2月の最終報告会の前の時点では、それなりの歓待を受けるような、県内外をつなぐ媒体として機能できたらと考えています。

おわりに：直川アナウンサーへの誓い

なお、そのプロジェクトの説明会当日は、憧れの直川アナが初めてのトークショーを開催した翌日だったのです。

そのトークショーの題目は「 自分の『好き』で自分らしく輝く」。

その翌日、図らずも、私は説明会の質疑応答や、その後の交流会で、その在り様を発揮し、受容してもらっていたと振り返ります。

直川さんは、前年の24時間テレビでも、「個性がキラキラ輝く世界に」というメッセージ動画を世に放ちました。

私は、それを宿題と受け止めており、その提出物が出来上がった時に、直川さんと自ずとお目にかかれる日が来ると信じています。

その私情は、プロジェクトの目標としては、切り離して考えるべきだとも思っています。

「心の誓い」を結局打ち明けているのも、矛盾しているかもしれません。

しかし、プロジェクトのチームでの指針として、直川さんの姿は、大きな指標になっています。

例えば、リーダー的役割が務まらないにしても、自分なりのリーダーシップを立たせ、前向きな意味で未知数として働きかけようという意欲が復活してきました。

もともと県外ご出身の直川アナウンサーが、福島で６年間勤め上げたご功労に比べますと、これからの私のプロジェクトの参加は６ヶ月間と短く、ずっと福島の現地で過ごすわけではありません。

それでも、小さな始まりと、小さな流れから、変容混じりに浸透する体験を、上述した私なりのふくしまへの愛を込めながら、チームメンバーと共に実践していく所存です。

ここまで長文をお目通しいただいたことに感謝しながら、もし、応援くださる方は、どうぞよろしくお願いいたします。