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読者の方からいただいたご質問への回答 #PATHCOOL #作字

こちらの記事は読者の方からいただいたご質問とその回答を掲載し、随時更新していきます。もし『パスクール』を読んで疑問に感じた点やご質問がございましたらDM・コメント等でご連絡ください。可能な範囲で回答いたします。


【最終更新日:2023/05/10】


p95
「ハンドルが水平垂直になっているのはフォントの制作ツールの仕様」とはどういうこと?

p95 二限目 実践の授業編 No.08 消防記念日
「フォントをアウトライン化して学ぶ」内、秀英明朝Bのアウトラインへの解説

回答:ヒンティングという「低解像度下でのフォントの見た目を改善する技術」のこと

フォント制作の技術で「ヒンティング」(低解像度下でのフォントの見た目を改善する技術)というものがあります。その手法としてハンドルの方向が水平または垂直になっているポイントが置かれている必要があり、そのための仕様です。(吉田)

解像度デバイスに表示する状況や小さなサイズとして印刷する状況など、文字が適切なバランスや太さなどを表現できるだけのピクセル数やドット数が与えられない状況が発生することがある。そのような状況でもフォントが不適切な表示にならないよう処理を行うために用いられるのがフォントヒンティングである。

「ウィキペディア フォントヒンティング」 より引用

p87
「伸びたハンドル同士が交差することはあまり推奨されていない」理由とはどういうこと?

p87 二限目 実践の授業編 No.07 我如古玲奈「④パスを調整する」内の解説

回答1:曲線をコントロールするのが難しくなるから

あくまで私個人の意見となってしまいますが、あまり推奨していない理由として「このカーブがどこから膨らみ、どこからへこむか」を認知して曲線のコントロールするのが難しくなるからだと考えています。ペンで線を描くにもマウスで線を描くにも、この点を意識するのは大事だと思っています。(吉田)

回答2:両方向から強い圧力がかかって歪んだ線が描かれるから

本書の冒頭で「ハンドルは線を曲げる力を可視化したもの」と定義づけており、
ハンドルが交差するということはその力が大きすぎてぶつかり合っている状態となります。そのため、描かれる線は両方向から強い圧力がかかって歪んだ状態と言えます。該当ページの場合は手描きの勢いを表現するためにあえてやっていますが、基本的には他の作例のようにカーブの頂点にアンカーポイントを置くことを推奨します。(村石)

p20
ロゴのワイヤーフレーム表示にて、パーツの位置がズレているのはなぜ?

p20 一限目 基礎の授業編 図形の描き方06
「パーツを組み合わせることでロゴを作ることができる」という解説内の図にて、
パーツの位置がずれている点

回答:錯視の調整をしているため

縦線と横線は同じ数値の太さでも錯視によって横線の方が太く見えてしまいます。この文字の場合は横線を細くすることで見た目上の太さを揃えており、その影響でパーツのズレが生じています。
この錯視調整は最初に解説するには難しい内容なので、このページではあえて解説をしませんが、その後のページでさまざまなパターンの錯視調整のテクニックの解説しています。(村石)

次の錯視図は「フィック錯視」です。「垂直-水平錯視」と呼ばれることもあります。錯視図形というのは,一般的に「主線」と呼ばれる,長さや角度が錯覚によって影響される部分と,「条件線」と呼ばれる,主線に影響を及ぼす部分に分かれるのですが,この図形は,主線を2本組み合わせただけという,おそらく一番単純な構造でありながら,大変大きな錯視量をもちます。下の図において,逆T字型に組み合わされた水平線分と垂直線分はまったく同じ長さなのに,同じに見えません。

知覚・認知心理学 5: 錯覚・錯視 より引用


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