#90:小惑星 全てから解放Ver.
小惑星が地球に衝突し、人類滅亡するまで、あと3ヶ月。残り3ヶ月の人生と分かったら、何をするべきだろうか。どう過ごすことが正解なのだろうか。正解などあるわけがない。人それぞれの幸せは違うのだがら。
第五章 全てから解放
小惑星が衝突し、人類滅亡と発表されたとき、嬉しかった。だって、どう足掻いても不可抗力でしょ?頑張ってどうにかなるものじゃない。
もともと私はいつ死んでも良い、と思っていた。別に死にたいわけじゃないけど、ただ生きているだけと感じちゃうんだ。
夢を追い求め、毎日充実して過ごしている人もいるけど、きちんと生きていても、なにか足りてなく感じて、まぁいつ死んでも良いかな、くらいに思っている人って意外と多いと思うんだよね。
あぁ、全てから解放された気分。頑張って夢を探したり、生きていくために理不尽な出来事を我慢して飲み込んだり、自分を磨かなきゃとか努力しなくて良いんだ。これから最期まで誰にでも優しく接することが出来そう。
自由に過ごせる!そう思ったら、世の中波乱に満ち溢れていて、不自由な世界……せっかく自由になれたのに、好きなことがなくなった。あの舞台も中止か。新しい音楽も小説も楽しみにしていたのにな。仕方がないか。自由の代償は高いよね。
この3ヶ月が幸せに過ごせるか?どうだろう。でもさ幸せを求めるから、辛いんだよ。孤独より、愛する人がいる方が辛いって不思議で面白いな。
大丈夫。新しいものは見れなくなっても3ヶ月でもう一度読みたい、観たい大好きな本と映画が家にある。明日は山に登り、ご来光を見に行こうか。それとも大好きな曲を聴きながら日向ぼっこしようか。
たった3ヶ月ととるか、3ヶ月もあると思うか。どうせなら思う存分楽しんでやろう。足りないくらいが丁度良い!
小惑星なんかに私の幸せは壊させないし、いや小惑星のおかげで私は今日も幸せだ。
完
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