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『リチャード・ジュエル』/作られなかったナディアのロシア料理

『ジョジョ・ラビット』のキャプテンKをやってたサム・ロックウェルにハートを鷲掴みされて見に行ってしまった。サム・ロックウェルはマスコミとFBIと世論に立ち向かう弁護士という、今までやってそうでやってない「アウトロー×インテリ×正義」の役をやってます。いやー、最高! いままでは「アウトロー」でも「ばかちん」とか「悪役」とかでしたからね! この人頭いい役やらせたらいいと思うのよ! すぐ見てわかる背の高いハンサムとかじゃなくて、背が低くて一見しょぼいおじさんっていうのがいいんです。

将来奥さんになるナディアを、あくまでしっかりもののアシスタントという描き方に徹しているのもヨカッタ。下手にラブストーリーからめるとつまんないし。ゆえにたった1か所あるちゅーシーンはすごくヨカッタ。

【好き食べ物】
●ナディアが作ってくれたであろうロシア料理のごちそう

作中ナディアが「私の祖国では国が有罪と決めたらみんな無罪だと思ってた」というシーンでわかりますが、彼女はロシア系ですね。英語の発音もロシアなまりでした。
 で。マスコミに取り巻かれて外出もままならないリチャードの家に、アシスタントのナディアが食料品を買い込んできて、「夕食を作ってあげようと思って」と言うシーンありましたよね。きっとすごくおいしいロシア料理を作てくれたと思うのです。なんだろう。ボルシチ、ニシンサラダ、ピロシキ、などなど? 実際にディナーシーンも映してくれてたらなあ。

●リチャード・ジュエルがダイナーみたいなとこで食べるチョコドーナツ
映画の最後、ダイナーみたいなとこでワトソンのもってきた「勝利宣言」を読んだあと、リチャードが食べるチョコドーナツ。ああいうのってダイナーの自家製なのかな。アメリカってドーナツ屋以外でもドーナツが出るんですね。いつか食べてみたい。

●スニッカーズ
 映画見ててそんな好きでもないのにむしょーに食べたくなりました。こんなカロリー高いのそんなに引き出しに入れてて大丈夫?! ってか、事務職の人が補充してくれるってすごいな。

【好き登場人物】
ワトソン・ブライアント(サム・ロックウェル)
 
いい。最高。サム・ロックウェルはこういうシリアスでアウトローなインテリをやったのは初めて(しいて言えばアイアンマンのハマー)じゃないかと思うのですが、びっくりするくらいハマってました。いや、この役、他の誰ができるかなと思うとこの人以外思いつかない。それくらいぴったりだったと思います。
 実際のブライアント氏は当時頭頂部がつるっとしてたようですが、映画はビジュアルを大事に?してか、サム・ロックウェルはハゲにはせず、あくまで髪が薄い感じにしてましたね。

ナディア
 
いい。最高。いかにも親切で器量よしでしっかりもののロシアのおかあちゃん(未婚だけど)って感じがすごくいい。絶対この人料理うまいと思います。実際の本人も今、きれいですてきなおばちゃんになってます。いまだに夫のアシスタントしてるようでLinkedInにページ?持ってます。すてき。

【好きシーン】
 それはもちろん、終盤、FBIとのミーティング?なのかな、その前にブライアント弁護士が事務所でナディアにネクタイ締めてもらうシーン。このシーンまではずーっと二人は単にちゃきちゃきアシスタントと困ったおじさん上司の凸凹コンビ、みたいな描き方だったのですが、ここで、あーやっぱりこの二人は実はいい感じだったのね、というのがわかってうふふという気持ちになります。二人がちょっとおじさんおばさんで、すごい美男美女というわけではないのがまたいいんだ。

【ファッション】
 リチャードの母ビブが話す記者会見のとき、ブライアント弁護士のしめているネクタイが星条旗柄だったんです。実際どうったのかわかりませんが、あれはあえてでしょうね。「私たちはアメリカという国を愛し、信じている。だからこのような告発の場を設けたのだ」という演出というか意思表示だったのだと思います。

【セリフ】
私はネットで脚本を探して読むのが好きです。●●(映画の名前)●● script で検索すれば色々出てきます。で、ネットには実際に映画で使われた最終稿ではなく、その前のが上がってたりします(これって違法…とはまた違うんだろうな?どうなのか…)。カットされたセリフにいいのがあったりして面白いです。私が見つけたやつにひとついいのがありました。

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オフィスで、ワトソン(ブライアント弁護士)とナディア。
ワトソンは窓からオフィスの外を見る。マスコミのバンや大勢の人だかり。
やれやれと頭を振りたくなる光景。

ワトソン「……なあ、またピロシキ作ってくれよ。すごいうまかった」
ナディア「気をつけなさい、ワトソン。ロシアじゃ女が男に2回ピロシキを作ったら、それは結婚するってことよ」

にやりとするワトソン。
ーーー

【本とか文化とか】
●マカレナ 
私はあれを覚えている……(汗)。いやー、映画で聞いてて身もだえしそうになりました。あれを覚えている世代はきっとみんなそうでしたでしょう。今聞くとほんとなんであんなはやったか謎な曲だな~。

【つながりありそう映画】
●アラバマ物語

 四面楚歌の被告を助ける弁護士ばなしで真っ先に思い出したのがこれ。グレゴリー・ペック演じる弁護士はサムロクのブライアント弁護士とだいぶ雰囲気違いますが、でも勇気と正義心は同じだっ。だいぶ昔の映画ですが本当に素晴らしい映画です。50年以上たってみても色あせない。画が美しい。


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