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夏だ!水辺へ! その2

朝10時に京都駅に集合して、「お互い元気そうでなにより」的な会話もそこそこに、すぐにJR特急はしだて3号・天橋立行に乗車。車内はめちゃめちゃ空いてる。もしかして天橋立、穴場なのかな。

そんな中で母のお喋りノンストップタイムが始まった。最近母がハマっているという羊羹を勧められたり(どこから出てきた?!)、母が定期的に詠んでいる短歌について「今回のここはリズム悪くない?」とか偉そうに言いながら、ふと車窓の外を見るとしっかりと緑の濃い田園風景が広がっていた。いいなあ、盛夏。
途中、宮津で電車の進行方向がスイッチバック?方向転換する。それも面白い。

それにしても京都とはいえ天橋立はとても遠い!・・・京都駅から2時間強もかかる。これだけの時間があれば東に行くと横浜にも行けちゃう。
しかも特急が往復で1人10000円以上!高い! ・・・2人で20000円 _| ̄|○
もう天橋立だけで1つの旅行として完結します。天橋立に宿泊すれば良かったのかな・・・・。

天橋立に到着後、駅すぐに風情のある湯場があった。入りたかったけど母は胃がんの手術をして以来、あまりそういうところに行きたがらなくなったので、なし。

あさりなど新鮮な海鮮の入ったうどんのお昼ご飯を軽く駅前で食べたあと、とにかく暑いので観光船乗り場へ。風が気持ちいいし、水場ってやっぱりいいなあ。なんだか心にも風が吹きこむように感じられて。

天橋立観光船乗り場。風がいい気持ち。
観光客の方はもちろんいるけど、全然混んでなかった。
暑いからかな・・・。(気温36度)

天橋立に向かう特急の中で、すでに母の中の「観光文学AI」が作動し始めた。
「天橋立といえば、すぐに出てくるのは百人一首60番よ!」とのこと。

「大江山いく野の道の遠ければ まだふみも見ず天の橋立」 小式部内侍

これ、和泉式部日記で有名な和泉式部を母にもつ作者が、歌合で藤原定頼に「丹後にいる母上に人をやって代作を頼みましたか? 手紙を持った使者はまだ帰ってきませんか?」とからかわれた時に即興で詠んだ歌だそう。
この頃、作者はまだ10代だったらしく、若くて才能ある娘に対して、ほんとおっさんだいぶ失礼だよね。
作品は小式部内侍本人の才能によるものであり、代作ではないことがよくわかる歌で、小式部内侍は女房三十六歌仙の一人として数えられるほど優秀であったことがよくわかるエピソード。そうなんだ・・・・。母といると国語の授業を楽しく受けている感じ。こんな少ない文字数の中に、いろんな物語があって面白い。
情報量半端ないのが、短歌や俳句の凄さだろうなあ。

あと天橋立といえば、与謝野鉄幹と与謝野晶子も有名みたいで、この地ってかなり「歌」と縁が深い土地のよう。
ずっと歌を詠んできて、昨年度初めて大きな賞をいただいた母だけど、母も前世は歌人だったのかもしれない。そういう凄みを母から感じる時がある。

観光船で対岸についたあと、より高いところから天橋立全景を見るためにケーブルカーに乗って傘松公園に。ここ、ほんとに美しい場所! 日本三景さすが。

天橋立を逆さまに見ると、天にかかる橋のように見えることから、天橋立と名付けられたとも言われているそう。天橋立を逆さまに見る「股のぞき」もやってみました。天に昇る龍に見えるらしい?!
やってみた。龍に見えるかどうかは別として、この姿勢しんどい。

暑いは暑いけど、ここで当たる風は心地よかった。
かき氷も食べて、夏休みをしっかりと満喫した気持ちに。夕方近くまでのんびりしたあと、またケーブルカーと観光船、「特急はしだて」で京都へ。
京都駅に着いた時はもう21時近くで、母が大好きな京野菜の美味しいお店で夕ご飯を食べてホテルへ。もう一日だけで大旅行をしたような気持ちになりました。














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