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#5 「自然妊娠は厳しいです」検査で分かった精索静脈瘤、乏精子症

夫が不妊の検査で通うようになった泌尿器科の病院では、私が通っていた婦人科で受けた検査よりもさらに詳しい検査を受けることになりました。
体調面での数値の上下も考慮し、2回にわけて精液の状態を確認し、初日は血液検査でホルモン値の検査と内診もしてくれた、と言って帰ってきました。
 
1回目の通院で分かったのは、精索静脈瘤という病気があり、それが原因で精子が減っているということでした。

精索静脈瘤とは、簡単にいうと精巣の近くを流れる血管の中に、逆流を防ぐための弁が存在するのですが、それが上手く働かず逆流が起こることで精巣内の温度が上昇し、精子の数や質が下がる、という病気です。
男性不妊の原因の中で最も多く、手術によって精子数を増やすことが期待できるとあり、手術で治るのなら一安心、と思っていました。
 
しかし、夫の精子数が少ないのは精索静脈瘤だけが原因ではありませんでした。
ホルモン値や2回分の精液検査、すべての検査結果を踏まえ、帰ってきた夫から聞いた言葉に、私は衝撃が隠せませんでした。
 
「結果、どうだった?」
「自然妊娠は厳しい。すぐにでも、体外受精、できれば顕微授精を検討して下さいって言われた。」
「え、でも精索静脈瘤の手術をすればよくなるんじゃ…」
「ホルモン値とか見ると、精子をつくる能力自体が落ちてるから難しいって。漢方とか薬飲んでも、そんなに良くならないって。」
 
結婚してまだ半年。タイミング法という言葉すら最近知ったばかり。
体外受精って、もっと年上の人がやる治療じゃないの?
それに、顕微授精なんて言葉は初めて聞きます。
(*顕微授精…体外受精の方法のひとつ。通常、体外受精では卵子に精子をふりかけて精子が自力で受精するのを待ちますが、精子の数が少なかったり、運動率が悪かったりする場合、1匹の精子を人為的に卵子の中に注入して受精させます。)
 
頭の中が真っ白になりました。パニックでした。
 
「とりあえず、精索静脈瘤の手術は受けるとしてさ、体外受精って何?!
 体外受精するってことは私の卵子も外に出すってことだよね?それってすごく、危険じゃない?」
 
夫は返す言葉がない、という感じで呆然としていました。 
 
つづく>>

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