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「コスパを無視せよ」

  東京都議会選挙で2位に入った石丸伸二氏のモットーは「無駄なことはやらない、 コスパの悪いことはやらない」ということだ そうです。私は読んでおりませんが、 作家の古谷経衡さんが石丸氏の著作をラジオで紹介してくださいました。 なるほど、特に今の若者はコストパフォーマンス重視です。 だから最近のJ-POPの楽曲はイントロもないし、早送りして聞く、 ギターソロは無駄。 そんな聞き方が一般的なんだそうです。だから最近の音楽はあんまり面白くないのかな…。
 
  さて、 キリスト教会も最近はコスパを重視する牧師も出てきたようで、 SNS 時代にふさわしく「 コンパクトな分かりやすい説教⁽を心がけて、できる限り 無駄を省考えが 生まれつつあるようです。 私も基本的には長い説教は嫌いなので賛成ではあります。ただ時間的コスパ ばかりを考えて説教するのもどうなのかなと思います。私の場合は 説教 20分 行かないぐらいなんですが、一生懸命色々考えて悩んで、これぐらいのことを何とか 絞り出したっていう感じなんですけどね(笑)

でも無駄なことはすべて削ろうというのであれば、説教はつまらないものにしかならないのではないでしょうか。というのも、 実は礼拝説教って牧師が元々原稿に書いてあったことよりも、そこから脱線してポツリと呟いたようなことが妙に心に残っているということってあるじゃないですか。それが思いがけず信仰の真理を言い当てていたりとかね。そんな経験ないですか? 

 そもそもが、キリスト教信仰ってこの世でみれば実にコスパ悪い行為なのです。日曜日に礼拝に行く、聖書を読んで語りあう、悩む、実に「ムダ」に見える行為ばかりです。でもそういうものなんです。「聖書はこう読めばいいんです」という人生のマニュアルではない。生き方を指南するものでもない。現実を生きて、問題にぶつかって悩んで聖書に向き合わねばわからないことだらけ。でもその繰り返しの中で福音に出会えるのです。最短距離で得られるものじゃない。

 人生そのものがそうでしょう。無駄なものは省けばいい、コスパ重視の世の中でいい。それなら目に見える成果を挙げるものだけがこの世に存在すればいいということになりませんか?私は石丸氏が自分より年上の議員や記者たちを揶揄しバカにしている姿に、ある種の恐怖すらおぼえました。「お前たちなどいらない」と切り捨てているように。その姿にある人たちが熱狂しているのかもしれませんが、彼が全方位的に向けている刃は支持者である貴方に向けられるかもしれませんよ。
 石丸氏も41歳。そろそろ人生の機微というものを理解するようにされたらどうかなとは思いますが。。


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