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PFPSに対するテーピング&バイオフィードバックの有効性

▼ 文献情報 と 抄録和訳

若年成人男性アスリートの膝蓋大腿部痛症候群における大腿四頭筋の強化に対するパテラテーピングと筋電図・バイオフィードバックによる補完トレーニングの有効性について

Asma A et.al : Efficacy of Electromyographic-Biofeedback Supplementation Training with Patellar Taping on Quadriceps Strengthening in Patellofemoral Pain Syndrome among Young Adult Male Athletes, Int J Environ Res Public Health (IF: 2.849; Q2). 2021 Apr 23;18(9):4514

[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar

[目的]若年成人男性アスリートの膝蓋大腿部痛症候群(PFPS)において、筋電図-バイオフィードバック(EMG-BF)による大腿四頭筋の等尺性強化と膝蓋テーピング、等尺性運動のみの効果を比較すること。

[方法]PFPSを有する若年成人男性アスリート60名が参加した。参加者は無作為に2つのグループに分けられた。(1)EMG-BFガイド下での膝蓋骨テーピングを用いた等尺性運動トレーニング(実験群,n = 30),(2)偽EMG-BFトレーニングと等尺性運動プログラム(対照群,n = 30)。参加者は、それぞれの運動プログラムを週5日、4週間にわたって実施した。アウトカムは、疼痛(visual analog scaleで測定)、機能障害(Kujala Anterior Knee Pain scaleで測定)、大腿四頭筋の筋力(ISOMOVE dynamometerで測定)であった。測定は、ベースライン時、2週目、4週目、6週目のフォローアップ時に行った。実験群は、対照群に比べて、2週目と4週目にVASスコアが有意に低下した(それぞれ、p = 0.008と0.0005)。第6週目の追跡調査でも、対照群に比べてVASスコアは有意に低いままであった(p=0.0005)。2週目と4週目の膝関節機能には両群間で差がなかったが(それぞれp=0.086と0.171)、6週目には実験群が対照群に比べて有意に膝関節機能が改善した(p=0.002)。第2週目の大腿四頭筋の筋力は両群間で差がなかったが(p=0.259)、第4週目と第6週目の大腿四頭筋の筋力は、実験群が対照群に比べて有意に高かった(p=0.0008)。

[結論]膝蓋骨テーピングを用いた4週間のEMG-BF補充トレーニングにより、PFPSを有する若年成人男性アスリートの疼痛強度、機能障害、大腿四頭筋の筋力が有意に改善した。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

筋電図によるバイオフィードバック療法によって、筋活動だけでなく疼痛が軽減しており、それが追跡調査でも維持されていたところ。

少しでも参考になりましたら、サポートして頂ければ幸いです。