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Yeedle リリースです!

【Yeedle】
Style:Pils
ABV:5.0%

モルトのクリスピーさと、ホップのハッキリとした苦味が楽しめるPils。
原料の個性をしっかりと感じられ、クリーンでありながらも豊かな味わいに仕上がっています。
歴史の中で育まれた、普遍的な味わいをお楽しみください。

2023年の春、2週間かけてヨーロッパの各地を巡る旅に出ました。目的は当然、ビールを飲むため。体がボロボロになるまでたくさんのビールを飲み続けたことで、色々な発見がありました。特に印象に残っているのは、美味しいビールこそ、シンプルな造りだったということ。クラフトビールというお酒の性質上?どうしても組み合わせの妙や、足し算的感覚で競い合うようなビールが生まれがちです。それはそれで、新しい味覚との出会いもあり楽しいことではあるのですが、造り手も、消費者も、消耗していくことは確かな事実です。

YeedleとYoobleは、そんなヨーロッパの旅から帰って来たあとに、シンプルであることを最優先にして、真っ先に仕込んだビールです。スタイルこそ違いますが、根っこにある考えは共通しています。

今回の旅ではピルスナー発祥の地のピルゼン、ラガー大国ドイツ、そして意外なことにベルギーと、各地で色々なラガースタイルのビールを飲んできました。ラガーといっても本当に味わいは様々で、またその地域の特性が反映されたものも多く、とても面白かったです。一杯で満足するものや、何杯でも飲みたくなるようなもの、そして色の濃いものから薄いものまで。
その中でも特に気に入って何杯も飲んだラガーは、"Pils"と名乗るものが多かったです。
ここで奥深いラガーの世界を語り尽くすことはできませんが、ピルゼン生まれのピルスナーがドイツに逆輸入的に上陸し、以後ドイツ式ピルスナー≒ピルスと浸透していったものと思っています。(私見含みます)僕はこの名称に、密やかなこだわりも感じました。

Yeedleもそんなヨーロッパで出会った素晴らしいPilsを目指して仕込んだビールです。
シンプルな麦芽の構成に、ヨーロッパで古くから愛されるホップを2種類チョイス。新しい技術や仕込方法などは全く取り入れず、実にクラシカルに醸造しました。ところが、普遍的でありながら、どこか新鮮さのある味わいになったことはとても不思議なことです。

ビールですが、グラスに鼻を近づけたところから花やハーブを思わせる香りを感じさせ、口に含むとモルトの香ばしさとホップの爽快な香りが交互に広がります。キリッとした苦さもありながら穀物感のあるふくよかな味わいで、長い余韻が続きます。
圧倒的なインパクトなどはありませんが、1杯、また1杯とストレスなく飲み続けられるような心地良いバランス感のある仕上がりになっています。

このビール、繰り返しつくり、より完成度を高めていきたいと思っていますので、たくさん飲んでもらえると嬉しいです。

おまけ

noteでの旅行記やパシフィック通信でもヨーロッパの旅の様子はお伝えさせていただきました。
今回は、Yeedleが生まれるきっかけともなった3つの素晴らしいPilsの話しを少し。

一つ目は、ベルギーのブリュッセル郊外にあるBrasserie De La Senneで飲んだ“Zenne Pils”。旅はまだ2日目、三軒茶屋のPigalleさんにご紹介いただきブルワリーツアーをしてもらった後に振る舞っていただいたビールです。まだお昼前にも関わらず、あまりの美味しさに一同ほぼ一気飲み。これを見かねて2杯目からは大きなジョッキとピッチャーを渡してもらったことは恥ずかしくもありますがとても印象的な出来事です。
De La Senneらしく、ホップのキャラクターをしっかりと感じられる味わいなのですが、ドライホップはしていないとのこと。これはわりと意外で、ついドライホップに頼りがちな自分としては良い刺激になりました。Yeedleもこれに倣い、ドライホップはしませんでした。

2つ目はベルギーの南西部にあるBrasserie Dupontがつくる、Rédor Pils。飲んでる時は名前も知らずデュポピルなんて呼んでいました。Zenne Pilsに比べると派手さはないですが、Pilsのど真ん中とも言えるような味わい。ビールは麦とホップでできているんだなと、当たり前のことを考えてしまうのです。
Dupontと言えばSaisonのイメージが強いのでPilsがここまで美味しいのは意外な気もしましたが、結局はSaisonもPilsも誤魔化しが効かないシンプルなスタイルなので、根っこがしっかりとしていることが重要なんですね。そしてPilsを美味しく味わうためには、温度と提供量がとても大切だと言うことに改めて気づいたのもここです。250mlで低めの温度。冷たくて、キリッとしたガス感を最後まで楽しめるとても良いバランスでした。

最後に、ドイツはミュンヘンからAugustiner BräuのPilsという名のPils。
「瓶でしか飲めないPilsが美味いから飲んだ方が良いよ」とCRAFTROCK Brewingの諒さんに勧められていたので、旅に出る前からとても気になっていたのです。
しかし、ヨーロッパを旅してると瓶しか無いビールなんてあんまり無いのです。むしろ樽しか無いはよくあるのに。真相は謎なんですが、直営のレストランでも瓶で出てきます。しかも330ml。日本では主流のサイズですが、ミュンヘン近郊は圧倒的に500mlの瓶が多かったです。これはメーカーの強いこだわり、なのかな。そしたら、痺れる。だって本当にちょうど良いサイズで、デュポピル同様飲み終わりまで最高のコンディションなのです。

こんな感じで、ヨーロッパとPilsの思い出。書いてるそばから、喉乾いてきちゃいました。さあ、Pilsでも飲もうかな。

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