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Float リリースです!





【Float】
Style:Hoppy Saison
ABV:5.5%

暑い時期にぴったりの、ポップでフレッシュな、ライトスタイルセゾン。
香りはパイナップルや青リンゴ、ほのかにスイカのようなニュアンスもあります。
フルーティーな印象でありながら、しつこくなく、軽やかな飲み口で気持ちのいいビールです。



ベルギーの農家にルーツをもつ"セゾン"というビール。
聞き慣れたエピソードかもしれませんが、農閑期である冬に仕込みをして、夏の農作業の間、労働者の喉の渇きを潤す存在でした。
当時は生水が安心して飲めるものではなかったという時代背景もあり、アルコール分やホップの抗菌作用を活かしたビールは"安全な飲みもの"という立ち位置だったようです。
また麦芽由来の栄養分から、過酷な農作業を行うための一種の"エナジードリンク"的な役割を担っていたのも想像できます。
またそれらは、華やかでありながら、ドライな飲み口なのが特徴の一つです。


このビールはそんな歴史の一幕を擬似体験するもの、ではありませんが「夏場に喉の渇きを潤す」には十分すぎる存在です。
農作業の合間に木陰で一休み、なんてシーンを想像しつつも、現実にはクーラーの効いた部屋で「外は地獄だった」なんて言いながら飲むんだろうなと思いながらつくりました。


華やかでドライ感のあるベースにたっぷりのホップを組み合わせ、パイナップルやスイカのような果実感がありながら、しつこさや重さは全くありません。
苦味も弱く、軽やかな飲み口で、何杯でも飲みたくなるような雰囲気です。


夏の暑さを味方につけるような、これからの時期にぴったりの、爽快なビールとなりました。




おまけ



セゾン=セゾン酵母を使用したビールではないのですが、実際にはベルギーの農家にルーツを持つ“セゾン酵母“と呼ばれるものを使うことが多いです。

このビールもいわゆる"セゾン酵母"と呼ばれるものを使っています。

その特徴は華やかな香りでありながら、甘味がない、いわゆるドライな飲み口を作り出します。
少しだけ難しい言い方をすると、エステル等の生成量が多く、発酵度が高い酵母とも言えます。

ビールにおいての華やかさというのは基本的にはポジティブなものですが、それが行き過ぎるとなんとも飲み辛いビールになります。
そのバランス感は難しく、特に暑い時期と寒い時期でも感じ方が違うので、今回特に気にしたポイントでもあります。

ある程度の華やかさやドライ感は保ちつつも、しつこさは極力減らしたいと思い、今回はセゾン酵母に加えて「Passific IPA」などでも使っているイギリス系の酵母も用いてそれらをブレンドする形で発酵させました。

前者は華やか、かつドライでありながら、時に華やかすぎることも。
後者は程よいフルーティー感でホップとの相性も良いが、甘味が残りやすいという性質があります。
今回はそれらをブレンドし、温度管理に工夫を加えることで、両者のメリットを引き出しつつ、デメリットを補い合うような発酵を目指しました。

結果的に心地良い華やかさでありながら、ドライな飲み口で、ホップの香りも存分に楽しめる仕上がりになったのではないかと思っています。

この2種類の酵母を使うというテクニックはとても面白く、他にも試したい組み合わせがたくさんあるので今後も取り入れていこうと思っています。


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