値上げのお知らせ
値上げのお知らせ。
2021年の9月から始まった僕らのビールつくり。
クラフトビールを日常的に楽しんでもらいたくて、できる限り手に取りやすい価格でと思い値段設定をしました。とは言っても、大手と比べれば3倍くらいするし、中規模のクラフトビールと比べても割高感はあったかと思います。
たくさんの方にビールを楽しんでもらえるよう工夫を重ねなんとか商品コストを下げることに努めてきましたが、昨今の社会情勢から価格の改定をせざるを得ない状況となりました。
今回の値上に至った経緯ですが、原材料や光熱費の価格の上昇が大きな理由の一つです。
ビール作りでいうと、麦芽やホップなどの原材料はこの1年でみても10-20%ほど価格が上昇しました。これは、為替の影響はもちろんのこと、世界的な物流コストの上昇や、戦争による市場の混乱などがあります。原料のほぼ全てを輸入に頼っていることからすると、これでも商社さんの努力による価格維持もあったかと思います。
ちなみに僕らがビール作りの計画を始めた2019年と比較すると最大で48%の値上げ幅になった原料もあります。また、光熱費も昨年比で20%ほど上昇しました。これは家庭レベルでも日々痛感しているかと思います。
物価高に伴い、"上がらない賃金"ということも日本全体の課題のようになってきました。小さな会社なので、世の中を大きく変えるようなインパクトを残すことはできませんが、まずは自分たちが小さな一歩を踏み出すことが重要だと考えてます。来たるべく従業員のことも視野に入れ、人件費は25%ほどアップしました。
何もかもが値上げ!と悲観的になりそうですが、実はビールの価格の中でもウェイトの大きい酒税は2023年の10月に10%ほど安くなります。その他パシフィックでいうと、空き缶や送料などは開業当初から変わっていなかったりします。先の読めない時代ではありますが、その時々の情勢をきちんと踏まえて誠実な価格設定をしていきたいと思っています。
クラフトビールという存在自体が非効率の象徴というか、贅沢なモノだと思っていて、でもそれに甘んじて現場も非効率だとどうしようもない事になってしまうのでこの1年、試行錯誤を繰り返しながら業務の効率化に励んできました。大企業のようなスケールメリットを享受する未来は望みませんが、生き残るためには少数精鋭で良いものを造り続けていくことが僕らの使命だと感じています。
ビールというのは嗜好品でありながら、日用品でもあるので値上げに関しては大変心苦しいですが、ご理解いただけましたら幸いです。
1パイント1000円の時代を懐かしむのではなく、それらが2000円の時代が到来しても、ブルワリーとしては価値を感じてもらえる物を作り続けること、そして一消費者の目線からすれば笑顔でビールを飲みに行くこと。そんな思いで、これからも精進していきます。
合同会社パシフィック
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