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Mirage リリースです!

【Mirage】
Style:Belgian IPA
ABV:7.5%

西海岸スタイルのIPAをベースに、ベルギーの農家にルーツを持つ酵母で発酵させたハイブリットスタイルのビール。
ホップと酵母の組み合わせで桃のような果実感のある香りでありながら、柑橘のような爽快で苦味のある味わいも。甘ったるさはなく、ドライなフィニッシュが心地良い個性豊かなIPAです。


アメリカの西海岸で育まれたIPAという文化。
それらはホップの組み合わせに留まらず、様々な酵母との組み合わせも試され、その中から生まれた"新しいIPA"が多数あります。
このビールも例にもれず、西海岸スタイルのIPAを軸に持ちながら、ベルギーの農家にルーツを持つ酵母で発酵させました。

ベルギーにも、一見するとIPAとも思えるような苦味の効いたビールもありますがこれはあくまで西海岸的IPAxベルギー系の酵母という組み合わせを楽しむビールです。
ビールというのは主原料である麦芽、ホップ、酵母、水の組み合わせから成るのですが、本当にその掛け算が面白い飲み物であると思います。
今回でいうとホップと酵母の相互作用で、お互いが引き立てあったり、埋もれていた香りをひっぱりあげたりといった具合にまるでシーソーのような感じで一つの味わいを造りあげていきます。

温暖で、開放的な雰囲気の西海岸で育まれた文化と、冷涼で穏やかな農村で受け継がれた酵母の出会いは実に現代的で、それはまさにグローバリズムの象徴の様にも捉えられますね。

味わいですがホップと酵母の組み合わせで完熟の桃のような果実感のある香りでありながら、柑橘のような爽快で苦味のある味わいも。
比較的高めの度数ですが、ドライな飲み口からか、あまり重い印象はありません。
香りのボリューム感、苦味、爽快さ、と複雑な味わいが楽しめる、まさにハイブリットな仕上がりとなりました。




おまけ


Passific Brewingでも度々登場するベルギー系の酵母。
株の違いや、発酵温度でも色々な表情を見せる多彩な酵母で僕らもとっても気に入ってます。

IPAの歴史と思い出はこれまでに何度も語ってきました。
Westcoast IPAに始まり、度数を強化したImperial IPA、それに対抗するように生まれたSession IPAなどなど。
縦方向への広がりだけでなく、同時に横方向にも広がりを見せていますが、そこで生まれたのがBlack IPAやBelgian IPAだったかと思います。


Belgian IPAと聞いた時にまず頭に浮かんだのが「Green Flash Brewing」の"Le Freak"というビール。
またGreen Flash!!といった感じですね。単純に僕の好みだったのかもしれませんが、間違いなく一時代を築いたブルワリーなんだと思います。
苦味の強度や度数で表現されていたIPAとは一線を画した方向性で、当時衝撃を受けたのを覚えています。
改めて調べてみるとBelgian Tripel x Imperial IPAというのがコンセプトだったようです。

この頃からBelgian IPAのようなハイブリット感のあるビールがいくつも登場し、よりクラフトビールの奥行きが広がっていったような記憶があります。

また、Le Freakの登場から数年後ですが、Green Flashがまたまたやってくれます。
ベルギーの老舗ブルワリー「St-Feuillien」とのコラボビールとして"Belgian Coast IPA”をリリースするのです。
今でこそ、国を超えたコラボレーションなど活発ですが、当時はかなりレアケース。しかも老舗ブルワリーx新興ブルワリーという組み合わせはかなり強烈でした。
これぞ本物のBelgian IPAとも言える名作だと思います。


改めて振り返るとIPAの歴史はクラフトビールの歴史とも言えそうですね。
そんな歴史に名を刻めるよう、頑張りたいと思います。

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