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Soffa リリースです!

【Soffa】
Style:Table Saison with Citrus
ABV:3.5%

日常に馴染む、柔らかな味わいのテーブルセゾン。
低めの度数でありながら、麦の味わいをしっかりと感じられます。苦味は控えめですが、柑橘の香りがアクセントとなり清々しい飲み口となりました。


数種類の柑橘を組み合わせた、テーブルセゾンができました。

テーブルビールとは、ヨーロッパの家庭で親しまれていた日常のビールにルーツを持ちます。
当時はアルコール度数が1%前後のものも多かったとか。文字通り水代わりに飲むものだったのでしょう。
"コップ酒"や“ちゃぶ台ワイン“なんかと同じような感じで、至極の一杯というよりかは、よりデイリーなお酒という立ち位置です。

だいぶ前のことですが、とあるバーでチェイサーとして極薄の烏龍茶が出てきたことがあります。味はほのかにする程度なのですが、口の中が気持ちよくリセットされとても新鮮でした。
このビールも、例えばワインが主役となるシーンで、チェイサーとして飲むのも良いのではないかと思っています。
清涼感のある香りでありながら穏やかな飲み口なので、刺激も少なくリフレッシュしてくれるような存在です。もちろんビール単体でも楽しめるようなバランスに仕上げてあります。

数種類の柑橘を組み合わせているのですが今回はレモン、八朔、みかんを使いました。それぞれChopman,Slurp,Kajyuで使用したものと同じです。
丁寧に保存しておき、その出番を待ち望んでいたという訳。今後もその時々の柑橘を組み合わせて仕込んでみようかなと思っています。

味わいですが、柑橘の清々しい香りやほのかなビター感がありますが苦味は弱く、低めの度数ながらしっかりとモルトの風味も味わえます。クッキーのような香ばしさというよりかは、藁や芝のような軽めの香りなのも特徴の一つです。

日常に馴染む、穏やかで自然な味わいながらしっかりと満足感もあるような、そんな仕上がりになりました。


おまけ


(※2バッチ目は内容のを変更しています)
今回はテーブルセゾンをベースに複数の柑橘を組み合わせてみました。
初めての柑橘を使う時は、加工後にどれだけの量になるかというのがわかり辛いため少し余分に手配することが多いです。
果汁はあるだけ全部入れてしまうことが多いのですが、皮は多すぎるとバランスが崩れるため都度調整して使うので、少しずつ余ったりすることもあるのです。

これまでにも柑橘は何種類か使ってきました。ゆず、伊予柑、八朔、みかん、レモン、すだちなど。品種も本当にたくさんあり、産地によって甘味と酸味のバランスも様々です。
こと日本において、 柑橘は価格と味わいのバランスがビールにベストな気がします。ホップより安くて、しっかりとキャラクターがある。品種や産地の違いで収穫時期が長いのも良いところかと。ベリーやトロピカルフルーツもその味わいは素晴らしいですが、なかなか国内でまとまった量を低コストで手配するのは難しいのが現状です。

農作物を通して、その地域や生産者とより深い関係を築く。これパシフィックのこれからにとって重要なこと。ちゃんと体現していけるよう、旅に出ましょう。

さて、このビールは3.5%と割と低めの度数です。
度数が低いということは、使えるモルトの量も少ないということ。つまり、どうしても味が薄くなりがちなのです。
その中でも味のバランスが取れるようこのビールは麦汁を煮沸しない製法で仕込んでみました。これは、PottoやKoppuと同じ製法ですね。
タンパク質がよく残ることから程よいボディ感があり、かつパンのような麦由来の風味が楽しめるのが特徴です。この製法、低アルコールとの相性も良いので、結構気に入っています。
また今回はヨーロッパの家庭で楽しまれていたテーブルビールなので、地域によっては煮沸をしない製法で仕込んでいたのでは?という憶測も含め、ルーツの部分に焦点を当てても相性が良いのでは無いか、と思っています。

もう読んだ、という方も多いかと思いますがこの製法に関してはPottoのリリースの際に詳しく説明していますので読んでみてください。


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