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Passific IPA リリースです!




【Passific IPA】
Style : IPA
ABV : 6.0%


ホップと酵母の組み合わせにより、生絞りの柑橘のような果汁感、心地良く癖になる苦味、それらを受け止める程よいボディでジューシーなIPAに仕上がりました。


クラフトビールとその初期衝動。


今からおよそ10年前、地元のビアパブで飲んだGreen Flash Brewingの「West Coast IPA」が全ての始まりでした。

それまでにも、いわゆる"普通のビール"とは違うものを飲む機会はありました。
"Hoegaarden"に始まり、"Bass Pale Ale"や"CHIMAY"など。
けれども、前述の「West Coast IPA」は一口飲んだ瞬間に電撃がはしりました。よくある表現ですが、本当に電撃がはしりました。

それからというもの、毎週休みになると日銭を握り締め(当時バイトは日払いでした)クラフトビールを求め色々なところへ行きました。
次第に「クラフトビールを仕事にしたい」と思うようになり「どうせやるなら造りたくなるだろう」と意気込み、知識も経験もないままビール道へ。

気づけば醸造所を構え、こうして新しい商品をリリースするために、自分で造ったビールを飲みながらこの文章を書いている。

Passific Brewingの源流を遡った先には、一杯のビールがあり、言い換えると一杯のビールが一人の男の人生を大きく捻じ曲げ、大借金を背負ってまで、ビール工場を作らずにはいられなくなってしまった、という訳だ。

それくらい、"IPA"には思い入れがあり、今でも「一番好きなビアスタイルは?」と聞かれると食い気味に「IPA」と答えている。

時は流れ、当時からは想像もできないほどIPAを取り巻く環境は変わっている。もはやIPAという言葉ではその全てを表現できないほどに。

さて、このビールが何系のIPAか?と聞かれると既存のスタイルだとうまくハマる場所がない絶妙な存在となっていると思う。
言葉で説明するならば「ヘイジーという概念がなかった頃に存在した、フレッシュが故の濁りを纏った、苦味のハッキリしたIPA」と答えるだろう。


おまけ


ビール作りに欠かせないものの1つとして”酵母”があります。
麦汁の中の糖分を食べ、アルコールを作り出す、人間にとってとても有用な微生物です。
ワインや日本酒の世界だと”蔵つき”や果皮などに付着したものを利用する”自然発酵”なども珍しくありません。
ビールの世界でももちろんありますがそれらはごく一部で、基本的には工業的に培養されたものを使うことがほとんどです。

 “酵母”はエールorラガーの2択では無くとてもたくさんの種類があります。
それぞれルーツが異なり、発酵に適した温度や、それに伴う香りや味わいも大きく変わります。

僕らも小規模の利を活かし様々な種類の酵母を試しています。
今回のPassific IPAにはアメリカのOMEGA YEAST社が販売する「DIPA」という酵母を使ってみました。
名前の通りDouble IPAに適した酵母で、世界的に有名なDouble IPAにルーツを持ちます。
僕自身使うのはこれが初めてでしたが、期待を遥かに超える酵母の働きにとても驚きました!
パイナップルやトロピカルフルーツのような香りを生成し、ホップの香りとの相性も抜群。
適度なボディがジューシーさを演出し、とても立体的なIPAに仕上がったと思います。

その後も発酵温度を変えたりしながら、他のビールにも応用しています。
そちらも順次リリースしていきますので、お楽しみに!





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