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False Peak リリースです!

【False Peak】
Style:Hoppy Lager
ABV:5.5%

ホップの香りがほど良い、ドリンカブルなラガーができました。
ハーブや柑橘のような心地良いフレーバでありながら、適度な苦味とモルト由来のクリスピーさもあり、何杯でも飲みたくなるような仕上がりです。


さあ、もう一踏ん張りで頂上だ。

山が好きで登りに行っているのに、歩き始めると早く目的地に着きたくなるもの。
「見えてからが長い」は登山における鉄則とも言えるような名言。さらに、目の前の頂は頂にあらず?
一番高いところが頂上。つまり、ここはどこ?
そんな絶望感を拭ってくれるホッピーなラガーが登場。いや、これはラガーに見える液体だが、本当にラガーなのか?

ラガービールとは文字通り、ラガー酵母の特徴を最大限に活かしたビール。それは、低温発酵だから表現できる、クリスプでクリーンな味わい。だとすると、このビールはラガーにあってラガーにあらず?
どういうこと?そう、このビールは高温での発酵でありながらクリーンな仕上がりになる、それはまさに"False Lager"をつくることができる北欧の農家にルーツを持つ酵母を用いてつくりました。"偽物"は少し響きが悪いかな、できれば"擬似的"と呼んでほしいような。

ホッピーラガーというスタイルはとても気持ちの良いもので、1杯目にも良いし、IPA程では無いがきちんと"ホップ摂取"ができるビールだと思っています。
今回のメインのホップはUSの新品種、それを中心にクリスピー感を邪魔しない程度に数種類のホップを組み合わせました。柑橘や清涼感のあるハーブのような香りで苦味はほどほどに、ドリンカブルでバランスの良い仕上がりとなっています。

オールシーズン、オールタイム飲みたい、ホンモノの"偽物”ラガーができました。


おまけ


“False Peak”とは登山用語で”偽ピーク”という意味です。
手前にある山のせいでその奥にあるさらに高い山(頂上)が隠れ、あたかも山頂が見えているかのように見える現象です。
山頂が見え始めたし、あとちょっとだという安堵感を打ち砕く、なかなかしんどい現象です。
僕にとっての思い出の偽ピークは2022年6月に行った八ヶ岳でのこと。
シーズン初めにも関わらず、ハード目な山行予定を組んでしまった日の中盤。美濃戸口を起点に、阿弥陀岳、赤岳と急峻な山を登り下りした後のことでした。次の目的地は横岳、地図を見るともう少し。多分、目の前に見えてるあの山。力を振り絞って歩みを進めるも、その頂は頂にあらず。というのを計4回繰り返す地獄の山行でした。
軽めの高山病も相まって中々のコンディションだったのでコース設定をした自分を恨みました。結果的にはちょっときつい位が良い思い出になるんですけどね。

はい、ビールとは全く関係のない話しでした。少しだけビールの話を。
今回は非ラガー酵母を用いてラガー的なビールを作りました。ビアスタイル≠特定の酵母というわけではないので、この辺は解釈次第なのかなとも思っています。セゾンなんかはその最たる例で、いわゆるセゾン酵母を使うことでその味わいを形作れますがそもそものセゾンのルーツまで考えると別に酵母なんてなんでもよかったりするのです。
ラガーというのもその定義は曖昧ですよね。特にホップを組み合わせたニューワールド的ラガーはその自由度も高くて良いのではと思っています。
False Peakも細かいことは抜きに、ラガー的なノリでオールタイム楽しめる飲み物を目指しています。そしてこのビールを特徴つけてるのがLutraという北欧の農家にルーツを持つ酵母でもあります。
高温発酵なのに、クリーンな仕上がりになることから”Pseudo Lager”(擬似ラガー)をつくることができるなんて言われ様々なスタイルにも応用されています。

この酵母については、Hydro Pumpのリリースの際にnoteのおまけエピソードで紹介していますので、そちらも併せて読んでもらえるとより楽しめるかと思います。

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