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God save the Queen.

エリザベス女王の国葬が昨日執り行われた。
NHKがBSでライブ放送していたし、今やYouTubeの中継でライブでも観られる時代となった。全世界で一体どれだけの人が見守っていたのだろうか。

英連邦はコモンウェルスも含めて、25億人を抱えると知って驚く。
全世界の1/4と言っていたと思う。
そりゃ、「グレートブリテン」だわね。
列席者の顔ぶれもすごかった。ここでテロが起こったら大惨事となる。警備にあたる当事者は気が気ではなかっただろう。

女王の棺は、亡くなったスコットランドのバルモラル城からエジンバラのホリールード宮殿へ。それから空軍機でイングランドへ運ばれ、バッキンガム宮殿で数日安置の後ウェストミンスターホールへ移された。
ここで一般市民の弔問が受け付けられた。かのデイヴィッド・ベッカムも特別扱いではない方法を選び、12時間並んだと報じられた。
女王の4人の子供達や8人の孫達を始め、現職閣僚で軍籍があるひとも、しばし棺を守ったという。
プロトコルが厳しく、セレモニーでは着用出来なかった軍服をハリー王子とアンドリュー王子の二人がこのときは着用を許されていた。

そこから、葬儀の直前になって棺はウェストミンスター寺院へと移された。
この棺のあとを王族が歩いてついて行くのがとても良いと思った。
きちんと弔っている、悼んでいるということが伝わってくる感じがした。

最後のセント・ジョージ礼拝堂で、
王冠、王杖、宝玉が棺から下ろされ、司教により礼拝堂に安置される。
そして近衛隊の隊旗をチャールズ国王が棺の上に置き、女王の侍従長がその地位を象徴する棒を二つに折って、「お役目終了」の合図とした。

この棺は、バグパイプの音色が流れる中、地下に下がっていった。

ここまでの色んな手順がすごく興味深くて、伝統って良いなぁとずっと感心して観ていた。
あのガラス張りの霊柩車や、葬儀の手順は30年ほど前から女王自身を含めて練られたものだったという。
「ロンドン橋計画」と名付けられ、女王崩御の際の首相への第一報は「ロンドン橋が落ちました」と合言葉で伝える、10分以内に国旗を半旗にすること、国民に伝えるときのBBCのキャスターの服装も決まっていたというからすごい。
さすがMI6がある大英帝国、水も漏らさぬ用意周到ぶりだと思った。

このバグパイプの演奏は、女王の目覚ましだったのだと後で知った。
女王は、毎朝このバグパイプの音色で目覚めていたという。女王の居室の近くを15分間こうやってバグパイプの演奏が毎朝行われていた。
このお役目も、永遠の眠りについた女王のために最後の調べとなった。

棺の上に置かれたお花は、バッキンガム宮殿のお庭の花でチャールズ国王の希望により作られたという。バラをはじめ、色とりどりの花やローズマリーなどのハーブなどからなり、とても素敵だなと思った。なかでもmyrtLe(マートル)は女王の結婚式のブーケから増やした花だったと知る。
バルモラル城から運ばれる棺の上を飾っていた白を基調とした素敵なリースもお城の庭園のお花を使ったものだった。

みんなに愛されたエリザベス女王、2日前まで公務をこなし、自分できっちり最後まで決めてみなが困らないようにし、子供達や孫達みなに送られ、多くの国民に惜しまれ、フィリップ殿下の隣で永遠の眠りについた。
もっとも幸せな最期だったのではないだろうか。
セント・ジョージ礼拝堂に棺が到着したとき、ここが”eternal rest”だとBBCのキャスターが解説していて、この長い道のりが終わったのだと感慨深かった。

Rest in Peace, Her Majesty The Queen.


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