前言撤回

タイムマシンにお願いしたいことは、特にないと思っていたけれど前言撤回します。

形見分けのことを書いたら、彼女にとても会いたくなった。
タイムマシンにお願い。彼女が病気になる前に、時間を戻してほしい。
私の病気がわかった後でもいい。そうしたら、「ねぇ、私がんになっちゃったんだけど、どうしたらいい？」と相談したい。
ご主人に伺ったのだけれど、彼女の妹さんもサバイバーさんらしく、病気がわかったときには、年の離れた妹さんのことをそれは心配していたとか。
私のことも、そうやって心配してくれただろうか。そんなバカなことをふと考える。

長く会えないまま、永遠のお別れになってしまった。
仕事と子育てに全力投球していたという、それも彼女らしい。
あなたのことは大切な友達だときっと思っていたよ、とご主人が言って下さったときは涙が止まらなかった。
自分の病気について論文も読み込んでいたと聞いた。ご主人は怖くて読めなかったと言っていた。知識がある分、そんなにしっかり向き合うと辛かっただろうに、怖かっただろうに。
キアラちゃんのことを知っていたら、きっとそばにいて欲しかったと思う。すごく不安がっていたから。そうご主人は言われた。

彼女と会って話をしたい。同じサバイバーになっちゃったけど、絶対乗り越えようね！って手を握ってあげたい。
だから、タイムマシンにお願い。