医療現場の現実

今日は6か月ぶりの通院だった。
厳密にいうと病院へ通うのは2か月ぶりで、執刀医の診察が半年ぶり、だ。
諸事情あって、ダブル通院しているのでこのような事態になっている。というか自分で選んでしている。詳しいことはさておき。

診察していただいて、先生と少しお話しした。それでわかったこと。
通院先では、がんなどの必要なオペは止まってはいない。一方で形成外科などの急がないオペはストップしている。それは先生や医療関係者の感染リスクを防ぐためですか?と伺うと、それもあるけど医療資源の問題が大きいとのこと。医療用のマスクやガウンが足りないのだそう。実は病院のHPにも寄付の呼びかけが書いてあったので私も案じていた。それでもうちはまだ恵まれている方で1日1枚マスクの割り当てがある、1週間に1枚の病院もあるからとのこと。形成外科は学会からオペ中止の通達も出ているらしい。
今は、限られた医療資源をより重篤な病状の患者のために優先的に投入しているということ。コロナも怖いけれど、病気は他にもたくさんある。それを先生も深刻に受け止めていた。

ふと思いついて。先生、通勤は車ですか?と聞いたら、電車なのだそう。今も?と聞いたら、今もだと。なので、時差出勤しているという。「自発的にね」と先生は笑って付け加えた。そうは言っても、医師が普段より遅く出勤できるわけはない。「それは必然的に病院にいる時間が長くなりますよね?」と水を向けると「仕方ないね、感染するわけにはいかないから」とどこまでも穏やかな口ぶり。
そう、とても優しい先生なのだ。入院しているときも、必ず1日1回様子を見に来てくださった。後でわかったのだけど、オペ後の3~4日、私はあまり状態が良くなかったらしい。食欲もなく食事も食べられなかった。他人の様子はわからないので自分ではそんなものかと思っていたけど、1週間ほどして落ち着いたとき、「元気になってきたね、最初はしんどそうだったけどね・・・」という言い方で気遣ってくださったのだった。

思わず、日々たくさんの患者さんにも接するし、先生が心配です!と言うと、気を付けてるからと微笑まれた。
このように、医療関係者はかなりのリスクを負ってそれでも社会的使命を果たしている。それも、少しも気負ったところのない先生はあらためて素敵だ。こちらの通院を残しているのは、先生に会いたいからかも知れない。
次回、また半年先の予約を入れていただいた。

そして帰り際に、先生差し入れです、と用意した大吟醸をお渡しして帰ってきた。お口に合うかどうかわからないけれど、お酒はお好きらしいと聞いていたので、おうちで楽しんでいただけると嬉しい。

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