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news23 レディマクベス 天海さんインタビューが良すぎたので残したい

news23の天海さんのインタビューが良かったので、引用メインで感想を書き残す。
10月1日に開幕する舞台、レディマクベスを軸にしたインタビュー。news23 2023/9/15 聞き手は小川彩佳アナウンサー。

公式動画ありました

舞台の醍醐味は?

生の人間が生で演じる事。やり直しはできない。もちろんつっかえることもあるけど、もう一度最初からはできない。カーテンコールで皆さんが楽しんだであろう顔を見せてもらえること、それが何よりの頑張ったご褒美

舞台人としての天海さんが舞台には格別の喜びがあることをこうして伝えてくれるのがうれしい。天海さんも、テレビや映画では体感できない舞台の魅力が好きだから、きっと大変であろう舞台という表現の場をいまも選び続けているんだろうな。舞台好きとして嬉しい言葉。

レディマクベスについて

現代社会における様々な負の部分が詰まっていて。パワハラ、セクハラ、戦争とか、紛争、親子…母と娘。憎しみとか、立場を奪うとか。何一つ解決はしないのかもしないのかもしれないけど、いろいろな人の立場を知ることができる。人間てずっと同じなんだなって。シェイクスピアの時代から変わってないんだなって。

レディマクベスがどんな舞台かまだ分かっていなかった私は、この言葉を聞きながら感嘆した。天海さんが2022年に演じた舞台、広島ジャンゴを思い出したからだ。広島の小さな牡蠣工場が現代社会に起こる様々な人知れずの苦悩を描き出していた。レディマクベスでもそれに重なるテーマが描かれるという。天海さんの伝えたいことが見えるようで、いつもひょうひょうと凛とした天海さんの中身に触れたような気になる。だから舞台を続けているのかな、なんて大げさかな。

共演者のアダムクーパーさんは

イギリスのバレエダンサーであり、天海さんのあこがれの人であったという共演者のアダムクーパーさんとの初対面。めずらしく手で顔を覆い、大感動&恥ずかしい&うれしいを表現する天海さん。
インタビュアーさんが「あんな天海さん見たことない…」というとワハハと笑い「あーたしも恥じらいはあるのよ」とちょっと低めボイスで言って見せるのがかわいい。
どんな共演者さんなんだろう。言葉は…どうするんだろう。楽しみだ。

天海さん演じるレディマクベスとは

天海さん演じるレディマクベスは、夫とともに軍で戦い国を治めることを目標としている軍人。出産後も軍に戻る予定だったが、出産によるダメージで戦地に戻ることが叶わなくなる。強く思い描いていたキャリアを絶たれ、葛藤を抱えて生きる女性。

思い込んだり考え込んだりすると視野が狭くなるでしょう?もうずっとこれ(国を治める夢)だけを考え込んできたから、それ以外どうしようもなかった人。

寄り添うようにレディマクベスの立ち位置を語る天海さん。

レディマクベスは自分が生み育てた子供を愛せないところがあって。そこが切ないし、母と娘の関係が重く描かれている。愛したいものを愛せなかったり、愛すべきものを愛せないって、それって現代だけの悩みじゃないよなって。大変なことに、家でお子さんを育てていて、いろんなことにフォーカスがこう(集中しちゃう、他が見られなくなるようなしぐさ)・・・なっていくと、愛したい存在を愛せなくなるって、あるだろうなって。

「愛せないところがあって」とか「いろんなことにフォーカスがこう・・」とか「愛したいものを愛せない」とか重い状況を角の丸い言葉を選択して話す天海さん。レディマクベスに寄り添っているんだろうな。そしてそれは現在似たような状況に置かれる人たちへの寄り添いでもある。ここらへんでもう、感極まりだすわたし。天海さんがレディマクベスを通じて「一人じゃないよ」って伝えてくれているようで。

お仕事されているお母さんも、専業でされているお母さんも、どうしたって自分を責めるでしょう、できなかったこと、やれなかったこと。そこを責めなくてもいいようになったら、いいですよね。
それが悪い、それが負の方向だと思わせられる社会だったりするじゃないですか。もっとおおらかに見てあげられたらいいのに(なと)。

天海さん(TT)
どうしてあなたはそんなに優しいの。どうしてそんなにわかってくれるの。

天海さんからのメッセージ

自分が決めたんだっていうことが、自分の支えになるから、誰かの意見とか、誰かのように、ではなく、自分がこうしたいっていう想いを大事にすべき、かな。世の中にやっぱり、ご本人はお一人だけ、ですからね。自分は何もないんだとか、何もできないではなく、あなたがそこに存在するだけで必ず誰かの役に立っているし、自分自身のためにもなっているから。だから自分を大事にして、自分の人生を大事にして、自分の未来を大事にしてほしい。

裏表のないまっすぐな言葉でインタビューに応えているのがひしひし伝わる。丁寧につなぐ言葉に、天海さんの本心を感じて感動する。舞台を見る前なのに、インタビューを見ているだけなのに、もう寄り添われているような感覚。天海さん、たびたび「自分の人生を大切にしてほしい」というメッセージを発信されているけれど、そういう事だったのかなと、腑に落ちた。

「自分を大切に」という言葉を聞く機会はそこそこあるし、そうだよね、程度に聞き流しがちだけれど、その裏側に”理解”と”寄り添い”があるんだってわかると一気に染みわたる。本気でそう伝えてくれる人の言葉は励ましになるし、目をそらしていたことによしっと重い腰をあげる原動力になる。

時々思い起こしたくなる言葉の数々に、思わずnoteにしたためました。
よきインタビューでした。ありがとうございます。



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