構造に縛られない王国で

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越境

机の上 白い茶碗に盛ったご飯の上で おにぎりのために 張り付けたのりはしおれていた そのとき気づいた 何かが 永遠に過ぎ去ってしまったと 今も永遠に 過ぎ去っているとこ…

ふつう、目を閉じて何も見えなくなり、目を開けて見えるようになる。逆だ。目を開けてると何も見えず、目を閉じると見える。何かが狂っている。寝ていないからだな。

本を捨てるか、捨てないか、それが問題だ。

 ついに、布団の上に積まれた本の占める面積が私が寝るために確保していた面積を超えた。これは私にとっては大問題である。今朝起きたときは、とうとう本を捨てるべきか否…

アジールとしての「トー横」

私にとって、2017年の「トー横」というのは間違いなくアジールだった。まだ「トー横」という単語もそこまで流行ってはいない時、あそこに集まったあの人達を超える衝撃に、…

越境

机の上 白い茶碗に盛ったご飯の上で おにぎりのために 張り付けたのりはしおれていた そのとき気づいた 何かが 永遠に過ぎ去ってしまったと 今も永遠に 過ぎ去っているところだと 動けなくなって、 ずっとそのまま固まっていた。 ただ、 時間が過ぎていくのを 秒針が動いていくのを 眺めていた。 空が暗くなってきて 指先の逆むけを剥ぎ取る 自分に気づいた ちょっと動けるようになっていた やっとの思いでコンビニまで歩き、弁当を買った。 ぽっかり浮かぶ月の下で、寒い中、夜のコ

ふつう、目を閉じて何も見えなくなり、目を開けて見えるようになる。逆だ。目を開けてると何も見えず、目を閉じると見える。何かが狂っている。寝ていないからだな。

本を捨てるか、捨てないか、それが問題だ。

 ついに、布団の上に積まれた本の占める面積が私が寝るために確保していた面積を超えた。これは私にとっては大問題である。今朝起きたときは、とうとう本を捨てるべきか否かについての議論をしなくてはならない時が来たかと戦々恐々としたものである。本を捨てるべきか、否か。この問題は歴史にその名を刻む愛すべき蔵書家達にとって命にかかわる積年の大問題であった。何を大げさな、と思われたそこのきみ、積み上げられた本の重さを軽く見てはいけない。そして、なんとも不幸なことに、わが国は地震大国であった。

アジールとしての「トー横」

私にとって、2017年の「トー横」というのは間違いなくアジールだった。まだ「トー横」という単語もそこまで流行ってはいない時、あそこに集まったあの人達を超える衝撃に、私はまだ出会えていない。 「トー横界隈」と呼称されるような歌舞伎町に集まる若者に代表される、現代の若年層に潜む精神病理について、考えたことを話したい。  さて、引用から始めさせてもらうと、マタイによる福音書の22章39節に「隣人を自分のように愛しなさい」という言葉がある。単純にこの言葉を理解すれば、「隣人を愛す