無難なプレゼント

女性へのプレゼントといえば、

コレでまぁ、いいでしょ!というものがいくつかある。

その代表が石けんだ。

特に、LUSHやBody shopなんて鉄板中の鉄板。

貰ったことのない女子はたぶんいないと思う。

女の子はいい匂いのものや綺麗なものが好きだという単純な思考によって選ばれた石けん。

大きく外れもしないが、当たり前すぎてたいして喜ばれもしない一品だ。

かくいう私も何度か石けんを貰ったことがある。

1番覚えているのは、大学4年のことだ。

3月の終わりだった。

サークルの引退式、大学の卒業式、そして誕生日とプレゼントをもらう機会が3回あった。

そして、その3つが被った。

大かぶりだ。

ブランドが同じとかではなく、全く同じ商品だった。

旅行用のボディソープ が匂い違いで6個パックになっているものだ。

1回め
まあそこそこ嬉しかった。
スノボー旅行も近かったし、ちょうどそれ用にボディソープを買おうと思っていたところだったからだ。何より普段自分では買わないブランド物だ。
普通にありがたさを表現しつつ、持ち帰った。

2回め
開けた瞬間、かぶった。。。と思った。
喜びはだいぶ薄かった。
リアクションは気をつけて、いかにも初めて貰った感をかもしだした。
まぁ、有名なブランドだし、そんなこともあるか、、と思いながら持ち帰った。

3回め
もう目を疑った。
驚きを隠せていなかったと思う。
くれた人は「そんなに喜んでくれるなんて!」
と言っていた。

違う、

喜びの驚きじゃない。
私はもうすでに2つ同じものを持っている。
いくらありがちなプレゼントだからって、短期間でここまでかぶることがあるのか、という驚きだ。
もうみんなで仕組んでいるドッキリかとも思った。
正直もういらなかったが、もちろん言うわけにもいかず持ち帰ってきた。

こんな感じで合計18個のボディソープが手に入った。

旅行用だから、家でのお風呂で使うのももったいない気がする。

しかし、そんなに旅行にいくものでもない。

一生かかっても使いきれない気がした。

大学卒業してからは、地元に戻った。
地元は温泉地で、家から30分圏内に4つ温泉施設がある。
100均のかごに、ボトルシャンプーやタオルを入れて自分好みにカスタマイズしたマイお風呂セットを持っているのがスタンダードな地域だ。

例に漏れず、私もマイお風呂セットを持っており、
被りまくったボディソープはここで思った以上に活躍した。

あれから約四年。
今日ついに最期の18本めを使い切った。

最近仕事が詰まっていて忙しく、リフレッシュしに温泉にきたところだった。

大学時代を思い出し、楽しかったなぁと懐かしくて切なくなった。

何年か経ち、あの頃を思い出すきっかけとしてのプレゼントだったのであれば相当な策士だ。

どう考えても、ただの偶然だがこんなにも楽しませてくれるなんて最高のプレゼントだ。
無難なプレゼントも一周回ると凄いことになる。

でも、自分があげるときは無難なものは避けようと思った。


#ない話
#小説
#プレゼント

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?