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簡単にできることは、何もない_館山市RYO’S FARMさん

目黒某所で、お寿司を食べていた。
職人さんの落語のような江戸っ子テンポの説明と毒舌。日本全国を自身の足で周り吟味した素材、丁寧な仕事・・・そりゃ日本酒をだいぶいただいちまうわあ(もう…アラフォーだよ?)🥺

酔っ払いのため、一緒に行っていた方に気を遣わせ、2次会に行き、ジントニックを飲んだことで気持ちがスパークした、本当に素敵な夜やった。(この時点で二日酔いは確定していた)

ここからが今回の本題です!
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ライジングサーン🌞!

気持ちは元気、ちょっぴり二日酔い(コナン?)にてこの日は千葉県館山市、パッションフルーツを作る梁さんのRYO’SFARMの農園にお邪魔させていただきました。(しかもかなり忙しい時期に、神か?)


〇館山市パッションフルーツ園に行ってきた!

アクアライン

都内の自宅から1.5時間の車旅、都内さえぬければアクアラインでスイスイ来れる千葉県。最近、土日を過ごすために別荘を買ったりすると聞くけどちょうど良いトリップ感でウキウキしながら車窓からひろがる東京湾をながめる。 

そして・・・大遅刻する。(東京湾に沈められた方が良かったのでは?)  


遅れの連絡すると爽やかの権化、梁さんは「気をつけて来てくださいー!」と千葉の潮風のように優しい(いやもうほんとに黙ろう…?)

RYO’S FARMを一人で切り盛りする梁寛樹さん。同い年!
中高はラガーマン、元水回りの住宅メーカーの広報から、大好きなサーフィンをきっかけに、千葉の館山市の地域おこし協力隊をへて、パッションフルーツ農家に転身。

2012年に移住をし、すでに10年以上も館山に携わって生活。
そもそもご本人東京都出身のアーバンボーイで田舎とかの経験がないのに、館山!?って思っちゃうド級田舎出身の私(虫が大の苦手)。

農家への転身は館山市が新規就農を推進していたこと、収穫以外の忙しくない空いた時間にサーフィンを楽しめることなどライフワークバランスを考えたうえでのこと。

ただ、色々お話を聞くと梁さんが一人農業で生計をたて、館山で自分と家族で暮らすことが出来るポイントが見えてきました。

受粉は手で


この日は受粉の日、花は1日しか咲かず、手で1つ1つ受粉しているそう、その数2万個(マジ白目・・・)。花の形状のせいでハチでは受粉が難しいそう。こんな時期に遅刻したんですよ?信じられます?私は信じられません・・・。
(でもパッションフルーツのはちみつも美味しそう!!!!切り替え力!!!!)

〇館山市の新規就農の優位性

私は初任の会社からずっとソフト系の仕事&親もサラリーマンだったこともあり、純粋に第1次産業の方々に尊敬がありますが・・・梁さんのお話を聞いていると梁さんだからこそ、そして館山市だからこその新規就農の良さがありました。

その①:県独自の研究機関や市でも農業の仕方や品種改良などを支援
知らなかったんですが、パッションフルーツって苗を植えればその年には実ができるめちゃめちゃ強い種子。
(確かに小学生の時にグリーンカーテンの替わりに植えた記憶が・・・)
桃栗3年柿8年っていうのを考えると0→1のハードルが少しだけ下がりそう。
ただ、パッションフルーツはその点、1年で苗木を植え替えないといけない
特性もあり、千葉県では挿し木による苗木の育成技術の研究もしていて、

てか、千葉がこんなに果樹に力を入れているのを知らなかった。実は、全国果物算出額を見ても100億ごえで、日本ナシやビワなどが有名。

そういえば・・・ふなっしーっもいましたね。彼は船橋市のナシの妖精でしたね!!笑

久々に調べたらめちゃめちゃ活動してたなっしー!
https://twitter.com/funassyi

そして、何よりちょっと関心したのが・・・館山市の新規就農のホームページがクッソシンプルで分かりやすい!!(家電説明書みない私にも優しい。)

内容も、ごちゃごちゃ書きたくなるのを抑え、準備の順番とリスクをしっかり伝えていてる。(一読の価値あり)

その②:第1次産業にまだのびしろがありそう。

館山市だけの産業別従業者をみても第1次産業の割合はやはり低い。これは逆に見るとここからののびしろもあるのではと感じる。

館山市 産業別従業者の割合

その③:場所の優位性
館山市は、東京湾横断道(アクアライン)や館山道の整備が進み、県南地域を中心に観光・直売農業も注目上がっている地域。規模によっては副業農家なども可能そう。
現に、アーバンな梁さんは青山ファーマーズマーケットで自身のパッションフルーツを売ったり、気軽に東京のご実家に帰ったりもしているそう。(良い距離感だ!)

その④:気候の優位性
南に位置する館山は、年間を通して温暖な気候。秋になると適度に気温が落ち着いて、もう一度パッションフルーツの花を咲かせることができる。ハウス栽培なら夏と冬に2回収穫ができるのも館山の特徴。

とはいえ、実は地形的な要素が高いけど千葉県は全国的に台風が多い地域・・・!上陸ってだけでいうと全国でもトップ8に入る。おいどんの実家である熊本なんかよりこれは多いですね。

しかも千葉に上陸するときは、長く海の上を北上するため、めっちゃ発達しやすいのも特徴。令和元年になった房総半島台風も記憶に新しいはず。

と良いところ、悪いところの見極めはどんな地域でも必要です。

○梁さんから感じた、簡単にできることは、何もない

房総半島台風にて、譲り受けたビニールハウスが全壊の被害に。

やっとパッションフルーツ農家としてだんだんとドライブするタイミングだったのにぃいい!!自然と対峙している産業ならではの恐ろしさです。

梁さんの農園(ビニールハウス)は、近所のカーネーションを作っていた方が高齢になったことで、ハウスを譲り受け、加温できる装置もあり年2回収穫できることも魅力の1つ。
というか、そんな簡単にハウスって譲り受けれるものではないので、ここも梁さんの本気度が理解された結果なのだと思うけど、おい、台風・・・。

ここで全くパッションフルーツが取れない時期を過ごす中、パッションフルーツの加工品「リリコイバター」が本領発揮。

ヨーグルトにかけてみた(パン食べない勢)

これ、委託して製造しているわけでなく・・・梁さんがすべて自分で作っているんす。(やば)パッションフルーツ、バターなど1から作って、瓶詰めして、さらにラベルのデザイン、ラベル貼りまで1人でしているという(マジで白目・・・)。パパさんがデザイナーということでしたが、「デザインしてもらうとするとコストかかるので」(フォントの字間などはアドバイスしてくれたよう。)デザイン部分にお金かけてしまって最終的に商品の値段が上がってしまうということはよくあること・・・(というか私はやっちゃってます。世界観も大事なんですが、どこにお金かけるかって視点ですね)いただいたら爽やかな香りと濃厚なバターで風味とまろやかさで、なんともかえがきかない、じんわりやさしくて美味しい。1つ1000円。

パッションフルーツ栽培の方もボランティアでお手伝いいただける方はいるものの、受粉管理からせん定、収穫、すべてを梁さん自身で完結。

育て、商品を営業し、全体のコスト管理しながら、しっかり稼いで持続していくこと、どれをとっても1つ1つ丁寧に事業を行い、それで稼いで大好きなサーフィンも楽しんで。

いつお会いしても懐が大きく、何より芯がしっかりしていて同級生としての厚みの違いにクラクラしちゃいます。
地域とも良い距離感をたもち、必要なコミュニケーションを取りながら館山市民としてとけこみ、そこで様々なトライ&エラーをしながらしっかりとパッションフルーツ農家として邁進し、地域に貢献をしている。

自然に成功するなんてことはない、
本当にどんなことにも簡単なことは全くないないーと気づかされる出会いでした。(安西先生ぇ・・・)

ちなみに、8月はパッションフルーツの収穫期!!!冷やして食べると甘酸っぱくて、盛夏のおともにぴったり。

最後に・・・八丈島で、パッションフルーツを島焼酎にいれて飲んだらやばやばでした!

「情け嶋」とパッショフルーツのサイダー割

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