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育児戦争/家政夫と一緒。~その40~

おむかえ


 しとしとしと⋯⋯。

「あめあめふれふれかぁさんが~」
「じゃのめでおむかいうれしいな~」
「⋯⋯ねー、さくらー」
「はい? なんでしょう」
「じゃのめってなにかな」
「⋯⋯じゃのめ⋯⋯。
 えーと⋯⋯じゃのめ⋯⋯。
 みしんのかいしゃさんのおなまえでしょうか?」
「⋯⋯みしんなの?
 ⋯⋯んー。でもそーすると”みしん”でおむかい、ってつーじなくない?」
「あう⋯⋯。
 そーすると”じゃのめ”ってことばにいみがあるってことですよね?」
「じゃのめ⋯⋯じゃのめ⋯⋯じゃー、のめ!」
「なにをのむんですか?
 くすくす、それこそわからないですよ?」
「ぶーー。じゃあさくらもなんかいけんだしてよー」
「じゃのめ⋯⋯うーん。
 ⋯⋯ううーーん⋯⋯」
「ぎぶあっぷ?」
「⋯⋯ぎぶあっぷです」
「ぷぷぷ」
「くすくす」

 しとしとしと⋯⋯。

「⋯⋯⋯⋯」「⋯⋯⋯⋯」

「はやくあめやまないかなー」
「⋯⋯そーですね⋯⋯」
「⋯⋯⋯⋯」「⋯⋯⋯⋯」
「⋯⋯り⋯、さ⋯ら⋯⋯」
「!」「!」
「何処かね? 迎えに来たぞ」
「あーちゃー! ここだよー!」
「あーちゃーさぁん!」
「む?」

タタタタ⋯⋯タッ。

「⋯⋯と。濡れなかったかね?」
「ね、ねーねー、あーちゃー!
 じゃのめってなーにっ?」
「⋯⋯なんだなんだ? 藪から棒に」



育児戦争/家政夫と一緒。第一部はこのエピソードにて最終話となります。
穏やかな日常の中で、季節はめぐり、冬木の時間は秋へと進みます。
────そして。



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