育児戦争/家政夫と一緒。~その36~
ホワイトデー
「そら、二人とも」
「え? わ⋯⋯!
くまさんのクッキーです!」
「ねこさんのクッキー! すごーい!」
「な、なんですかこれ?」
「ホワイトデーのお返しだ。喜んでいただけたかな?」
「す、すごいですー!
こんなおっきなクッキー割らずに焼くなんて⋯⋯」
「まあちょっとした手間とコツだ。
そうたいしたものではない」
「⋯⋯」「⋯⋯」
『ゆ、ゆせんにとおしてかためただけだよ⋯⋯あげたチョコ』
『あうう⋯⋯もじいれいじょうのことなんてできませんでした⋯⋯』
『な、なんか⋯⋯』
『わたしたち⋯⋯おんなのことして、どうなんでしょう?』
「どうかしたかね?」
「あ、あーちゃー、わたしにりょ-りおしえてっ!」
「わ、わたしももっとむずかしいのおしえてくださいっ!」
「⋯⋯?
なんだね」
「おんなのこのそんげんなのっ!」
「ですっ!」
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