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育児戦争/家政夫と一緒。~その19~

女心と秋の空


「くりひろいくりひろい~!」
「かえったらくりごはんですねっ、うふふ」
「うん! あ、みつけたよ!げっとー!
 ⋯⋯あっ⋯⋯!
 いつつつ⋯⋯」
「あっ⋯⋯だいじょうぶですか!? ねえさん!」
「こらこらあまり遠くへ行くな⋯⋯どうしたっ!?」
「あ、あーちゃーさん⋯⋯ねえさんが⋯⋯」
「くりのとげささっちゃった⋯⋯いたた」
「どれ、見せてみろ。
 深く刺したようだな⋯⋯まったく、拾うときは注意しろと言っただろう」

 凛の指を吸うアーチャー。

「⋯⋯!?!?!?」
「あっ⋯⋯」
「ば⋯⋯ばかばかあっ!
 なにするのーーーっ!」
「何とは⋯⋯消毒しただけだが?」
「そんなのじぶんでできるもんっ⋯⋯!
 あーちゃーのえろーーっ! ばかーーーっ!
 え⋯⋯と、えろーーーっ!」
「ば、馬鹿を言うな。今の何がいやらしいというのだ?」
「⋯⋯あーちゃーさんがわるいとおもいます」
「なっ、桜まで⋯⋯。
 いいか? 唾液にはリゾチームやヒスタチンと呼ばれる抗菌成分が含まれている。動物も怪我をしたとき傷口を舐めるだろう。唾液には傷の治りを早くする効果があるのだ」
「⋯⋯そんなんじゃないもん⋯⋯」
「⋯⋯むむ?」

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