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“阿部亮平”について考えるきっかけをくれた本の話。

本を読み終た私は、どこかで聞いたような言葉を思い出していた──。

本棚は、人を表す。

少し遠回りで、あざとい。でも、ロジカルにピースをはめれば魅えてくる。
これは阿部亮平の大きく静かな慈愛を、一冊の本が教えてくれた話

1.偶然、ある本に出会った。

夏の暑さでへばった体を休ませるため本屋をふらついていたら、ある一冊が目に飛び込んできた。

それは、青々とした綺麗なの表紙に、キラキラしたピンクの文字でタイトルが書かれている。

『博士の愛した数式』
作/小川洋子

2.『博士の愛した数式』 あらすじ

一✤一一✤一一✤一一✤一一✤一一✤一一✤一一✤一

[ぼくの記憶は80分しかもたない]
博士の背広の袖には、そう書かれた
古びたメモが留められていた

家政婦である“私”は、記憶力を失った博士
お世話をすることになる。

博士は、“初対面”の私に、
靴のサイズや誕生日を尋ねた。
そして、数字の素晴らしさについて
口漏らすのがお決まり。

数字が博士の言葉だった。

やがて私の10歳の息子が加わり、
ぎこちない日々は
驚きと歓びに満ちたものに変わっていく…。

一✤一一✤一一✤一一✤一一✤一一✤一一✤一一✤一

3人の主人公、博士・家政婦・息子と「数式」が絡み合った作品であることはすぐ感じとれた。あらすじを見た瞬間、これは私の好きなテイストだと思い、胸が高鳴った。

3.博士と勉強熱心な阿部ちゃん

本を買うのは久しぶりだった。
読書中はストーリーに没頭しながらも、「阿部ちゃんが好きそうな本だな~」と何度も思った。

というのも、

・文章が全体的におっとりしている
・数字を語るシーンは熱のこもった描写に
・要所に愛溢れる表現が繊細に描かれている

まるで普段の阿部ちゃんの振る舞いを記しているかのような…
なんというか、そう、親近感を覚えた

特に、勉強熱心な阿部ちゃんと数字や数式をこよなく愛する博士の言動は、重なる部分があると思った。

例えば、考え事の途中に邪魔をしでかした家政婦に対し博士は

「考えているのを邪魔されるのは、首を絞められるより苦しいんだ。数字と愛を交わしているところにずかずか踏み込んでくるなんて、トイレを覗くより失礼じゃないか、君」

思考の阻害は死と同類、とそこまで過激でないにしろ「学びにおいての阿部」はこれぐらい強い意志や信念を持っていそうだと勝手に思った。

それが垣間見れるエピソードを1つ。
ラジオSnow Manの素のまんま(2020/6/18放送)で
【有名になって変わったこと】といった質問に

喫茶店で勉強するのが好きなんだけど、この前勉強していたらバレた(笑)
気づいてくださって…ちょっと気まずくなっちゃってその喫茶店を後にしたんだけど。

と少し困り声で答えていた印象。

ここで博士の言葉を借りるなら、阿部ちゃんは勉強と愛を交わす時間を中断せざるを得なくなったわけだ。
そりゃデートをお邪魔しちゃぁ、あかんよな(cv.向井康二)

『 勉 強 に 没 頭 す る 阿 部 亮 平 。』

でもまぁ、想像するだけで喫茶店のメニューを全部頼んであげたくなるくらいには母性が心躍るので、実際に出くわした際には、阿部ちゃんの静の時間を守れる人であろうな。戒め

4.博士と息子と阿部ちゃん先生

勤務初日にして博士にお叱りを受けた家政婦。
しょんぼりとはするものの、10歳の息子の宿題を見てくれるようになったことにより、まるで先生と生徒のような関係になっていく。

いつどんな場合でも、博士が私たちに求めるのは正解だけではなかった。何も答えられずに黙りこくってしまうより、苦し紛れに突拍子もない間違いを犯した方が、むしろ喜んだ。
──いくら考えても正解を出せないでいる時こそ、私たちに自信を与えることができた。

博士のような、学びに対する喜びや自信の与え方が阿部ちゃん先生の時と似ているなと思った。

それが垣間見れるのは、やはりYouTubeの企画でメンバーにクイズを出している瞬間だろう。

メンバーの答えやすい簡単な問題から始め、難しい問題で閃を開花させる。

正解した本人より阿部ちゃんが喜ぶ姿が印象的な企画である。
特にこの動画では、ふっかさん(深澤辰哉)が最難問をものの数秒で

「あ、俺分かったわ。」

と解いてしまう。天才ふっか痺れる。なんなら阿部ちゃんも痺れてた。

他には、めめ(目黒蓮)が正解したものの、それが独自の閃きによるものだったと判明した時。一番動揺していたのは阿部ちゃんだったかもしれない。

といったように、阿部ちゃん先生は「絶対に生徒を置いて行かず、間違いすら愛し、一喜一憂を共にしてくれる」いわばSnow Manの聖母なのである(?)

5.家政婦と阿部マリア亮平

博士は64歳だったが、身なりが整っていないせいでより老けて見えた。
そこで家政婦は、書斎にこもりっぱなしの博士をなんとか床屋へ連れて行くことに。80分しか記憶が残らない博士は、家政婦が勝手に帰るんじゃないかと過剰に不安がっている、そんなシーン。

鏡に私が映っているのに、それでもまだ信用できないのか、時折振り返って、約束が破られていないかどうか確かめようとした。私は微笑みながら片手を小さく挙げ、ちゃんとここにいますよ、という合図を送った。

これはもう、あれじゃないか。あれというのは、ほら、伝説の阿部あざとい亮平のことだ。

この動画の10:58から見て欲しい。しょっぴー(渡辺翔太)の言葉を借りるなら、

めちゃめちゃあざといぞ

である。

あざとさはまず置いておいて、この微笑みはまさしく「私はここにいますよ」という意思表示であり、実に聖母みを感じる。聖母みってなんだ。

聖母の微笑みはさっくん(佐久間大介)によって逮捕される。いや訳がわからん。そのまま一つの手錠で繋がれてろと投げやりな気持ちになる。谢谢。

6.数式とアイドル阿部亮平

この小説のタイトルにもあるように、博士が愛した数式がある。

この世で博士が最も愛したのは、素数だった。
──彼の愛し方は正統的だった。相手を慈しみ(いつくしみ)、無償で尽くし、敬いの心を忘れず、時に愛撫し、時にひざまづきながら、常にそのそばから離れようとしなかった。

作中では、2,3,5,7,11,13,17......と100以内の素数が並べられ、主人公たちはこれについて談論する。
息子がいち早く、不規則に並ぶ数列で"2"だけが偶数であることに気がつく。すると博士は、「素数で偶数は2、一個だけだ。素数番号①の一番打者、リードオフマンたった一人で無限にある素数の先頭に立ち、皆を引っ張っていけるわけだ」と付け加えた。

ここまで読んで💡と来た人は、ソーシャルディスタンス・ハグをしよう。

ファンの要望に答えて自分たちでオリジナルうちわを作るという企画を思い出さなかっただろうか。

各々好きなシールをうちわに貼る中、阿部ちゃんは…

「最小の素数は?」

これを見せられメンバーはポカン顔である。しかし、今の私たちなら解るはずだ。
さっくんに「これに対してどう阿部は答えるの?」と聞かれれば

「にー!!✌️✨

と満面の笑みを見せてくれた。可愛い。かわいい。カワイイ…。

動画投稿当時の私は、「せやな、2やな。ピースしてもらうために遠回りしてアピールしても返すよ!という阿部ちゃんのあざとファンサ力すごいな」
ぐらいしにか思っていなかった。バカヤロウ。もっと考えて。

そう…博士が愛したように、
阿部ちゃんも素数を愛しているとしたら?

もう一度引用しよう

──彼の愛し方は正統的だった。相手を慈しみ(いつくしみ)、無償で尽くし、敬いの心を忘れず、時に愛撫し、時にひざまづきながら、常にそのそばから離れようとしなかった。

まって、パニックパニック。心のリトルオーライ渡辺がオーライしちゃう。
突然、阿部イケメンキラキラ王道アイドル亮平になるのだけは勘弁して!

しかも、ちょっと引用遡るけど
「たった一人で無限にある素数の先頭に立ち、皆を引っ張っていけるわけだ」とはナニゴトか!?

朝の情報番組ZIPの『キテルネ』のコーナーでは世のお母様方の心をわしづかみにし、ジャニーズクイズ部を立ち上げたかと思えば、Qさま!!にて高学歴ジャニーズ軍団として出演するし、VS嵐では『チームAB型』として呼んでもらったり。

過大解釈甚だしいかもしれないが、

最小の素数が"アイドル阿部亮平"を体現している

と思って泣いた。愛だ…慈愛だよ…うっ…。
心の大ババさまに「なんといういたわりと友愛じゃ。スノ担が心を開いておる…」って泣かれてる。号泣。いや、王蟲かわしらは。
※キャパオーバーすると突然語彙力壊滅限界ヲタクですみません。

7.あべさく、ジャスティス🤘🥺

FF外より、突然のあべさく失礼します。

この文書を読んでいた頂いた方はお気づきだろうか?
実はこのnote、あべさくシーンが散りばめられているのだ。
私が読み返しても3つはあった。(逆に3つしかない)
ぜひ、その視点でも読み返してくれたら嬉しい。

8.余談

ここまで書いておいてなんだが、阿部ちゃんがこの本を読んだことがある可能性を考えていなかった。

調べたところ、『ぴあ Movie Special 2019 Autumn』(2019/10/01発売)にて
好きな作品として博士の愛した数式を紹介していたらしい。

さすが阿部亮平、抜かりなかった。なんなら愛読してた。
最初に感じた親近感は気のせいではなかったようだ。

一✤一一✤一一✤一一✤一一✤一一✤一一✤一一✤一
阿部亮平の本棚にこの本があると想像すると

本棚は、人を表す。

この言葉を思い返すのであった。

-Q.E.D.-

一✤一一✤一一✤一一✤一一✤一一✤一一✤一一✤一



◇「博士の愛した数式」作 / 小川洋子

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追記

このブログを書いたのは2020/8/10です。


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