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敏腕プロデューサーが語る「人喜」仕事論10の教え

「どうやったら失礼じゃないか?」で考えるんじゃない、「どうやったら喜んでもらえるか?」で考えるんだ。

と言われてハッとした昨日。

あえて表には出ていない方だけど

・この道30年、広告/PRを手がけ、「一人電通」という言葉がぴったりの仕事人
・TV番組制作(守秘義務の関係で話せないものが多数ですが、数々の有名ヒューマンドキュメンタリー番組の制作も複数担当)
・パラリンピック等の国策プロモーション
・NPOサポートセンターの理事
・地方創生(熱海、長崎、女川など複数)

を、チームを組みながらもたった一人でこなしている敏腕プロデューサー。
それが、石山城さん(通称ジョーさん)。
これがご本人ですが、あふれ出る、プロデューサー感!

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知人に頼んでご紹介いただいた際、「こんな人、本当にいるんだ。こういう人が面白いことの裏側を全部仕切っているんだ!」という衝撃を受けた方。

そんなジョーさんから大変大変ありがたいことに、●●時間、個人レクチャーをいただけた昨日。。。(;_;)✨
(ジョーさん、学生300人を前にした講演の前日だったのに、本当にありがとうございます!!)

その仕事論を、私の中だけでとどめておくのは本当にもったいないと思って思わず筆を取ったのが今回のnote。
ジョーさんの仕事論は、良い意味で昭和っぽいです。
最近の「●●ハック○選」みたいなのとは違って、明日から即実践!みたいな簡単なことではないかもしれません。

だけど、これから人生100年時代を生きていくにあたり、本当の意味で「一生食うに困らない」とはどういうことか。あるいは「人から応援されるために必要なこととは何か?」ということのエッセンスを教えてくれます。

本当は、1テーマあたりで一つの記事になるくらい深いのですが、全体感も大事だと思い、箇条書きチックに書いてみました。
まだまだ私の中で咀嚼が必要な部分も多数ありますが、お好きなところだけ読んでいただけましたら幸いです。それでは「人を喜ばせる」10の「人喜(にんき)」仕事論の始まりです!

①「どうやったら喜んでもらえるか」で考える

冒頭にも書いたのですが、とにかくハッとしたことが一つ目。
あの、もう、要するにこれに尽きると思います。言葉にするのは簡単ですが、「人のことを考えましょう」です。

自分の実現したいことがあったとして、大体の場合人に動いてもらわないといけない。だけど、北風と太陽と同じで、人を力で動かすには限界があります。
ただ善人になれ、というのではなく、世界を動かすために必要なのは、どれだけ相手の事情を考えて提案できるのか。
その想像力の大きさが、仕事の大きさということがジョーさんと話してて一番感じたことでした。

②目の前の人を幸せにする

言葉にすると、当たり前に聞こえて難しいのですが、ジョーさんは私に「全ては関係学だ!」と教えてくださったんですね。
人と仕事をしていく際に、誰がいて、その隣や上下には誰がいて、それぞれの人が大事にしていることは何で。。。という全体像をみながら調整ができることが仕事人としての一つのゴール。
でも、全体を見通して仕事をすることなどすぐにはできないですよね。。。
では、初心者でもできて、かつずっと大事になることってなんなのか。
それが、半径3メートルの人の幸せにしていくこと。

これは大事なことで、例えば、目の前の人の紹介で、どなたかに引き合わせていただけたとしましょう。
それで、次につながるお話になったとしましょう。
その際に、その目の前の人に報告やお礼もしないで勝手に話を進めたら、その目の前の人との関係性はどうなりますか?
すぐに関係性は悪くはならないにしても、良い気はしないですよね。
だけど一言、その目の前の方に報告したり、相談したりした上で同じことをした場合はどうですか?
その目の前の人、もっともっと応援してくれるかもしれないですよね。そうした方が、目の前の人も、その方が紹介くださった方も、もっとハッピーかもしれないですよね。

たった、メール一本の手間かもしれません。
それをするとしないとでは、2人から応援されるか、あるいはどちらからかも応援されないか、という大きな違いの分岐点がそこにあります。
どんな時も、まずは目の前の人の幸せを考えて行動することの意義、大事さを痛感したお話でした。

③「全員幸せ」を考える

①と②の実践をしていくと自然に「全員幸せ」というところに結びついていくと思います。
だけど、そもそもゴールとして、「どのようにすれば、全員幸せになるか」ということを大前提で考える。というのが、ジョーさんが言ってたことの根底に全て流れていました。

ジョーさんのプロジェクトがみんなから支援され、かつどんどんその次に繋がっていっている秘訣。それはひとえに、「全員幸せ」に対する信念が人一倍なんだと思いました。

ジョーさんの仕事の周りには「幸せシナプス」と言っても過言ではないくらい、幸せの網の目が敷き詰められています。
お話を聞いていると、「え?そんな所にもwin-winの関係性が?え?こんなところにもまたwin-winが!!」という感じ。
なんかもう、その話を聞いていると感動の連続で、だからみんな「またジョーさんと仕事がしたい」って思うんだな、とひどく納得がいきました。

④行動させてなんぼ!

これまで言ってきたことに通じますが、本当にこれだ、とジョーさんの話を聞いてて思います。
ジョーさんが「ビジネスモデルをつくるのなんて簡単だ。だけど、そこにいる人がどうやったら動いてくれるか、それが大事なんだ」という言葉が胸に刺さりました。

これはプロモーションの話にもなるのですが、いくら何万リツイートされたり、PVがすごかったりしても、「そこで本当に人は購買した(動いた)のか?」ということまで設計することが大事だ。と力説してくださいました。

⑤見えないところを見る努力をする

こうやって①〜④について語ってみましたが、ジョーさんはおっしゃいます。「人々が判断するのは結果(商品が世に出た、売れた、プロジェクトが成功した)であり、そこまでのプロセスは全然見えない。だけど、企画とかビジネスモデル云々よりも、そこに関わっている人にどう動いてもらったのか、それはなぜ動いてもらえたのか」そこを見る努力をしなさい。それが、良い仕事をする上でも大きな学びだ、と教えてもらいました。

⑥ひらかれた言葉で語る

これが、本当にね、難しいと思いました。
ジョーさんは「どう伝えるかは、全て相手のプロトコルに準じる」っておっしゃるんですね。それはつまり、自分が話したいように話すのではなく、常に相手の理解できる言葉で話せ。ということ。

いや、よく言う話であるかもしれないのですが、これってつまり終始「相手目線」じゃないとできないことなんですよ。
相手の理解力や状況を推し量り、そこに対して自分の言葉や事例を調整していく。。。本当にこれを突き詰めようと考えたら途方もない努力になる気がするのですが、「人を喜ばせ、人に動いて」もらうためには、必携スキルだよなぁってしみじみ。。。

それを得とくしていくための順番を、ジョーさんはこんな図を用いて教えてくれました。

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相手と会話したり、もっと高尚な交渉をするためには、
まずは理解して、
そのことについて調査し、
それを踏まえて思考し、
判断ができた上で、
やっと発言することができる。

逆に言うと、まずは相手の言っていることや状況を「理解する力」を養わずして、その先もないということ。

相手に伝わる「開かれた言葉」を語るためのステップとして、非常に参考になると思いました。

これを踏まえた上で、ジョーさんの昨日のツイートを見ると、なかなか胸に迫るものがあるのでした。。。

⑦誰とも戦わない

これ、ジョーさん曰く、勝海舟の言葉だったかな?とのこと。
ジョーさんの言葉で伝えるとすると「誰かと戦うという考えではなくって、自分がこうありたいと思える姿でいられているか」そのことの方が大事だ。というお話。

ジョーさんの、35歳くらいの時の話が興味深くって、それまで「俺」だった一人称を、全て「ボク」に変えたそうなんです。それはなぜか。いろいろと理由はあったそうなんですが、家族でも、友人でも、仕事の現場でも、目上の人といても、「いつでも石山城であること」ということを大事にしようと考えられたんだとか。

一人称の変更と同時に、「ゆっくりと穏やかに、声も低く話す。汚い言葉遣いをしない」というようにも変えたとのこと。
一人称が「俺」だと、どうしても言葉が荒っぽくなってしまうけど、「ボク」だとそんなことにはならない。
もちろん、相手に応じて、話す内容などは変える(⑥の通り)けど、自分の根っこにあるものが揺るがないように変えられた、とういう側面もあったかと。(ここ、理解不足なので、もっと詳しく聞いておきます!)
私自身、これはすぐにでも意識して取り入れたいと思っていることです。

⑧手間を惜しまない

これも、ジョーさんとお話ししてて驚いたことの一つです。
最近は本当に便利な時代だから、会うよりも、メールや電話で済ませてしまいがちですよね。
その上、本当はすべき連絡さえはしょってしまいがち。
だけど、こんな時代だからこそ、ジョーさんが惜しまない人と人の関わりが人の心を動かすのだと思いました。

ジョーさんは、熱海の地方創生のお手伝いもしているんですね。
その際、あるプロモーションのために交通許可証が必要だったそうです。
それを取りに行く際、別に郵送してもらって全然よかったそうなんです。
だけど、ちゃんと足を運ばれたとのこと。
「悪いので、送りますよ」という相手にたいして「(本当はそのためだけに行くのに)いいえ、ついでなんで」と言って足を運ぶ。
その会ってくれたということがあり、また始まる前にもしっかりと声をかける。
そういった積み重ねの信頼があるからこそ、当日も必要以上に応援してもらえる。そんな循環が、「応援される人」をつくっているのだと思いました。
(他にも、舌を巻くような手間暇事例があるのですが、それはまたおいおい)

⑨おや、まぁ、へぇ〜で企画する

ジョーさんが何のプロかと聞かれれば、やっぱり「企画」のプロです。ジョーさんがこれまで企画してきたものは、大きなものから小さなものまでそれほど星の数ほどあると思うし、何よりその成果実績がすごい。
あるプロジェクトの話を昨日聞いたのですが、たった、たった15万円でそんな企画ができるの?そんなに行政動いちゃうの?関係者をいろいろ巻き込めちゃうの??というそのご手腕に、もはや涙が出そうになった私。。。
(大きい予算でバーンももちろんすごいと思うのですが、非常に限られた予算で人を巻き込めまくることもホントすごいと思いました)

その企画力を構成している要素を、とても一言でなんて語りつくせないけれど、人を喜ばせたり、人に関心を持ってもらえる王道セオリーの一つが、この「おや、まぁ、へぇ〜」でした。

要するに、「おや?」で関心を引き、「まぁ」でもう一つ関心を引き、それに対して「へぇ〜」でとどめの関心喚起を図る。
TV番組制作、企画プレゼン、プロモーションなど、汎用性の高いフレームワークです。

⑩段取り7割、仕事は3割

ここまでいろいろとお伝えさせていただきましたが、そのほとんどが実際の仕事ではなく、その準備=段取りに関わる部分でした。

ジョーさんはおっしゃってました。
なぜ自分が大抵の仕事に対しては、負けない、あるいは一生食べていけると思えるか。それは、この段取りの部分を身につけてきたからだと。それを磨き上げるだけで、仕事の7割の点数を取ることができる。
仕事(=実際のアウトプットや成果)をどんだけ頑張っても、所詮3割にしかならない、と。

そこで気づいたことの一つが、私は仕事というものを、このたった3割の部分で考えていた、という浅はかさでした。
これからは、実際のスキルやアウトプットよりも、もっともっと7割の方を意識して仕事をすることを心に誓いました。

まとめ

ここまで、人の心を動かす稀代のプロデューサーが、見えないところで何をやっているかということをお伝えしました。
プロデュースや、プランナー業に関わっていなくっても、仕事の本質的な部分で共通するところがたくさんあったのではないかと思います。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
今回書いた内容が、みなさんのお仕事に少しでもお役立てできましたなら幸いです。

最後に、ジョーさんが関わっているPJの一部をここにご紹介させていただきます。

熱海の旅館、法悦さん
ONAGAWA FASHION SHOW


Twitterも(今更ですが)はじめました^^


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