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【本棚】#15 おまじない

本棚15冊目

旅行にkindleを忘れたので東京駅で新幹線に遅れそうになりながら直感で買った本

文庫本の帯は元欅坂46の長濱ねるさん

おまじない 西加奈子

構成は全8編の短編に西加奈子さんと長濱ねるさんの対談が書かれている。

西さんの本は初めてだが、帯の言葉の通り、何も読んでもヒントやおまもりになる言葉が散りばめられていた。
思い悩む女性に、とあるように男性よりは女性に響くのだろうが、男性だとしても、うちにある不安な部分、ともすれば女々しい部分にしっかりと寄り添ってくれる。

素敵なのは寄り添う言葉、であり、強い言葉でもない、刺さる言葉でもないこと。とても素直に、かっこつけや装飾の要素なく、スッと落ちる言葉たち、だから響くのだろう。

燃える・孫係

短編のうち、特に好きだった2編

言葉に縛られる私と、「」でくくれるラベル、レッテルで私をみない裏のおじさんの不器用であたたかい言葉。

完璧だと思っていたおじいちゃまと結んだ協定。「正直なことと優しいことは別」という言葉。

2つとも小学生の女の子の目を通した作品であるが、出てくる男性が魅力的だ。

対談

そしてもう一つ、西加奈子さんと長濱ねるさんの対談が巻末に収録されている。

17歳からアイドルとして活動してきて、さまざまな「」を望まれたねるさんだからこその感想、思いが対談形式で書かれていて、少しだけ胸の内や葛藤を窺い知ることができた。

ちらっとレビューを見たら、西さんの中だと少し物足りない、という意見が見られたが、だからこそ寄り添う言葉が描けたのではないかな、と思う。

おそらく読むタイミング・年齢によって響く作品が違いそうなので、また1年後、2年後に読んでみたい

オワリ

ねるさんといえばこれ、のイメージ







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