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BTSのリーダーRMの推奨本とされてた「アーモンド」を読んで

去年の話になりますが、長男が帰省する際に空港で時間潰しに立ち寄った本屋さんHMVで「BTS愛読書&引用本特集」というのをやっていて、そこで紹介されていた本です。

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こういうコーナーがあるんだというのが、まず興味深く、ほかにもメンバーが本当に読んだか、愛読書にしているかは分からないけれど、ちなんだ本ということで、本選びのきっかけにはいいなと思いました。
テテの愛読書として紹介されている「言葉の力」などは日本人にはピンとこない内容かもれないし、「BTS Vの愛読書」と大きく帯に書かれていて、「2018年日本ドームツアー帰国時に空港で持っていた本」とされてこれをきっかけに日本でも発売されるようになったそうですが、テテは読書より映画派だと言っていたから、本が好きで愛読しているかどうかは謎です。最近は大人になって、こういう自己啓発本で言葉の選び方や、多くのストレスに対して心を整えているのかも、、、と想像したりするのは楽しいけれど。

とにかくこういうフェアをきっかけに、初めて韓国の翻訳書を手にすることになりました。
空港では買わなかったのですが、表紙の印象やポップを読んでから気になっていて、試しに読んでみたい。
こういうときはメルカリです。ハードカバーの単行本は高いでしょう。結構きれいに読んでいる方が多いので、古本でも気になりません。
ポイントもたまっていたので、ポイントを使い、定価の約半額で買うことができました。

「アーモンド」は、一言で言うと、生まれつき情緒に乏しい少年が、人との出会い、交わりを通じて、共感性を取り戻すか?という成長の物語です。日本でもベストセラーとなり、2020年本屋大賞翻訳小説部門1位になった作品なので、まず、ハズレはないです。
青少年向けの文体で、無駄のない分かりやすい文章なので、最後までささっと読めます。集中すれば1日、2日で読み終わることができるでしょう。

本には読む適齢期というのがあると思いますので、私にはこれは遅すぎたかもしれません。
以前にも中高生におすすめ本として紹介した「一瞬の風になれ」「ボックス」など青春小説は大好きなのですが、それともちょっと違う読後感でした。
あとがきで著者が出産後に書いた作品で、自分はどのような子どもであっても愛することができるのかという考えから、問題のある子どもたちを登場させ、この世には同じように生まれてきても、社会の落伍者になったり、成功者になっても心が捻じ曲がってしまったり、人を感動させる人になったりする。「人間が人間にするのも、怪物にするのも愛だと思った。そんな話を書いてみたかった」と語っています。

最後には、愛。

この本を読んで「心が震えた」「涙が止まらなかった」とレビューしている人がいましたが、残念ながら、私はそうはなりませんでした。
「マイ・ディア・ミスター」的な感動、かなりの期待をしていたのだけれど。
私が学生だったり、また子育ての真っ最中なら、より共感できたかもしれません。
読後には、韓国本は苦手かもと思ったけれども、いやいやそういう先入観を持たず、こういうきっかけが大切。
少しでも心に刺さる何かがあれば、それは自分を形成するパーツの一つになるはず。

本当にBTSのメンバーが読んだかどうかは別として、こういうフェアによって、本を手に取るきっかけができたことに感謝して、また幾つか読んでみたいと思います。
BTSとの出会いは私の読書人生までも変えてしまいそうです。

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