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日本という、このすばらしい国 その3

執筆:ラボラトリオ研究員 杉山 彰

様々な民族が漂着する、日本

太平洋を中心とする世界地図を眺め、その世界地図に海流の流れを重ね合わせてみると、日本列島を北上する黒潮は、広大な太平洋をぐるりと循環する「海のハイウェイ」の役割を担っていることが分かります。1967年に、堀江謙一氏が全長6m足らずのヨット(マーマイド号)で、世界で初めての太平洋単独横断を成功させたときに利用したのが、黒潮でした。房総半島の沖合から黒潮にのって北米大陸(サンフランシスコ)までを94日かけて横断しました。

また、ノルウェーの探検家トール・ヘイエルダールは「ポリネシア人は東南アジアからではなくアメリカから移り住んだ」という自らの理論を証明するために、有史以前から南米のインディアンが利用していたバルサ材で「コンチキ号」を建造して、1947年に6人の乗組員と共にペルーのカヤオを出航。約3ヶ月かけてポリネシアのツアモツ諸島へ漂着しました。そのときに利用したのも、黒潮(赤道海流/南太平洋海流)と貿易風(偏東風)でした。ポリネシアのツアモツ諸島に漂着したということは、ポリネシアのツアモツ諸島を経由して再び黒潮にのり、日本列島にも漂着できるということです。

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事実、日本列島でつくられていた縄文式土器と同じような土器が、ペルーでも出土されています。同じ文様の、同じ焼き方の土器が広大な太平洋を挟んで、どちらの地域からも出土したということは、人的な交流が、私たち現代人が想像する以上に活発に行われていたのではないか、と推察できます。 

私たち人類は、一人の女性を発祥の起源としているらしい

アフリカ単一起源説によれば、我々人類は、ホモ・サピエンス(新人類)という一つの種に分類されるようです。現代人のミトコンドリアDNAをもった一人の女性が、約20万年前にアフリカで誕生し、その女性の子孫が世界中に分散したらしいという意味で「イヴ仮説」とも呼ばれています。我が国の国立科学博物館のホームページにおいても“ホモ・サピエンス(新人類)は10万年前ごろにアフリカで誕生し、6万年ほど前からユーラシア大陸に広がり始めたと記載さられています。ホモ・サピエンス(新人類)は、ホモエレクトス/ネアンデルタール(旧人類)に比べると、はるかに進歩した技術を持ち、急速に分布範囲を広げ、世界中へ拡散して各地の現代人の祖先となった。つまり、世界中のどの現代人集団も、ほんの数万年前までは同じ集団の仲間だったのでした”と記載されています。驚くべきことです。

そして、世界中に拡散したホモ・サピエンス(新人類)は、一部はユーラシア大陸の中東地域に進出し、その後、中東地域からヨーロッパ(地中海周辺)、及び南アジア(インド周辺)に進出し、さらにヒマヤラを越え東南アジアや東アジアに進出し、今日のモンゴロイド直系の祖先となったといわれています。また、東北アジアに進出した一部のモンゴロイドはベーリング海峡を渡りアメリカ大陸に進出し、ネイティブアメリカンの祖先となったようです。つまり、ネイティブアメリカンもモンゴロイドに属する種族であることが定説になっているのです。わずか20万年前から3万年の間に、現代人のミトコンドリアDNAをもった一人の女性を祖先とする新人類が形成されたのです。

大陸

現在、世界各地で発生している宗教紛争、民族紛争が、いわば親類同士がいがみ合い、血を流しているともいえます。旧約聖書の創世記第11章に、バビロニア帝国の、ノアの子孫であるニムロデが建てようとしていた“バベルの塔”を見た神が、その行為を神への挑戦と見なして怒り、人類の言語をバラバラにしたという伝説があります。もしこの伝説が史実ならば、人類は“バベルの塔”以降、言語が異なるが故に十分なコミュニケーションをとることができずに、さまざまな混乱(紛争や戦争)を引き起こす原因になったとも言えます。神は罪つくりなことをおやりにもなるのです。(つづく)

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→その4に続く

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【杉山 彰(すぎやま あきら)プロフィール】

◎立命館大学 産業社会学部卒
 1974年、(株)タイムにコピーライターとして入社。
 以後(株)タイムに10年間勤務した後、杉山彰事務所を主宰。
 1990年、株式会社 JCN研究所を設立
 1993年、株式会社CSK関連会社 
 日本レジホンシステムズ(ナレッジモデリング株式会社の前身)と
 マーケティング顧問契約を締結
 ※この時期に、七沢先生との知遇を得て、現在に至る。
 1995年、松下電器産業(株)開発本部・映像音響情報研究所の
 コンセプトメーカーとして顧問契約(技術支援業務契約)を締結。
 2010年、株式会社 JCN研究所を休眠、現在に至る。

◎〈作成論文&レポート〉
 ・「マトリックス・マネージメント」
 ・「オープンマインド・ヒューマン・ネットワーキング」
 ・「コンピュータの中の日本語」
 ・「新・遺伝的アルゴリズム論」
 ・「知識社会におけるヒューマンネットワーキング経営の在り方」
 ・「人間と夢」 等

◎〈開発システム〉
 ・コンピュータにおける日本語処理機能としての
  カナ漢字置換装置・JCN〈愛(ai)〉
 ・置換アルゴリズムの応用システム「TAO/TIME認証システム」
 ・TAO時計装置

◎〈出願特許〉
 ・「カナ漢字自動置換システム」
 ・「新・遺伝的アルゴリズムによる、漢字混じり文章生成装置」
 ・「アナログ計時とディジタル計時と絶対時間を同時共時に
   計測表示できるTAO時計装置」
 ・「音符システムを活用した、新・中間言語アルゴリズム」
 ・「時間軸をキーデータとする、システム辞書の生成方法」
 ・「利用履歴データをID化した、新・ファイル管理システム」等

◎〈取得特許〉
 「TAO時計装置」(米国特許)、
 「TAO・TIME認証システム」(国際特許) 等


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