見出し画像

MIDIキーボードの黄ばみを漂白してみました(レトロブライト)

だいぶ昔はDTMをがんばっていました。
愛用していたMIDIキーボード IK Multimedia のiRig Keys の初期型が今でも手元にあるのですが、当時はガバガバ煙草をすっていたのもあり白鍵がすごい黄ばんでいます…もはや茶色。

今回はこれを「レトロブライト」という技を使って白鍵をきれいにしてみました、というお話です。

結論から先に…ビフォー・アフターの比較画像をまず載せておきます。

レトロブライトとは?

ざっくり言うと「ゲームボーイやファミコンなどのレトロゲーム機本体が長い時間が経ち黄ばんだのを『酸素系漂白剤と日光などの紫外線によって漂白する』手法」のことです。
公式サイト(英語)もあるのですが少しわかりにくいので、Wikipediaの該当するページも一緒に貼っておきます。

今回はその技を黄ばんだMIDIキーボードの白鍵でやってみようということです。
分解の手順については同じ機材を別の方がされていた以下を参考にしました。

お約束ではありますが…私がやってみた方法と同じようにして他のMIDIキーボードでも上手くいく保証は一切ありません。
お試しになる場合は自己責任でお願いします。(私はこの言葉ホントは嫌い…)

用意した道具や材料など

  1. ワイドハイターEXパワー

  2. 100円ショップなどで売ってる「四隅が密閉できる」タッパー

  3. アルミホイルと養生テープ

  4. ゴム手袋

  5. マスク

  6. 分解して洗浄した部品を乾かすのに並べる大きめのバスタオルなど

  7. 余裕を持って作業ができる「十分な時間と場所」

  8. (他、あれこれ)

道具や材料の使い方をざっくり解説

1.は日本でこの作業をする場合はこれでほぼ1択です。
なお、同じハイターでも食器などを消毒するときの「塩素系漂白剤」は作業に使えませんので注意が必要です。
2.はどうやら1. がもれたり外からなにかがまざらないような容器や袋(お惣菜のパックとかジップロックとか)ならなんでもいいらしいのですが、私は雨が降ることも多い秋口に作業したので雨などがまず入らない理由で選びました。
3.はなくてもいいのですが2. の容器の外側に被せると少ない太陽の光を容器全体に反射して効率よく光を当てられるらしいのでとりあえず。
4.と5.はうっかり手ついたり口で吸ってしまったりなどしないように。
意外と気にされないのが7. で、焦って作業したりすると失敗や怪我などに繋がるので十分に余裕を持って作業しましょう。(私は待ち時間含め全工程で3週間ほど)

本体の分解作業

ここから先は写真を載せつつそこそこはしょっていきます。(分解の詳しいやり方は先に貼ったリンク先に替えるとします)

本体裏側のネジを外しますがそのうちの1か所は真ん中のシールの下にあるので上から穴を開けて外す必要があります。

ネジを外して裏側から開いたら、裏側と上の本体側は「フラットケーブル」(写真にある先が青い平べったい形の線)で繋がっているので、一気にフタを開けようとしてこれを切ったり傷つけたりしないよう気をつけてください。
ここは先端に見える黒いパーツが固定の役目をしているのでそれをゆっくり外すとケーブルが取れるようになっています。

それから「上側の白鍵を止めているネジ」→「その下の黒鍵」→「さらに下の基板を止めているネジ」の順に外します。
本体上側は「ボリュームなどのボタンがついている基板」と、ホイールを固定している後ろのネジ止めも外します。
上側の基板もフラットケーブルがあるので注意してください。

分解したのでひとまず洗浄

今回は内部はそれほど汚れていなかったので、基板についてはダストブロアー(パソコンとかに空気をシュー!って吹き付けるスプレーのアレです)でほこりを落とし、それ以外は水道の流水で洗い軽くスポンジでこする程度にしました。
洗浄のあとは全ての部品を6.の上で広げてしっかり乾かします。

本題の漂白作業

写真の通り2.のタッパーに分解した白鍵の部品を入れ、1 の原液で浸します。
部品を入れる前に2.の外側を先にアルミホイルで覆っておきます。
養生テープを輪にして内側に貼り付けると簡単だったりです。

1.の濃さについては水で薄めた方がよいという考えもあるようですが、なんらかのしっかりしたケースなどに入れてひたすら浸けおく場合は原液のままでよさそうだったので、ゴム手袋とマスクをしながら慎重に注ぎました。
そのうえでタッパーの四隅を閉じて家の外で浸け置きします。余裕があったら午前・午後とで太陽の光がより当たるように場所を移すとなおよいと思います。
で…実は、この漂白作業は今回2回に分けてやってます。
最初用意した1.は量が足りなくあまり効果がなかったので(後述)、日を改めてから1.を多めに買ってきてもう一度やってみました。都合2回にわけて正味7日半ほど浸け置きしました。

漂白してみた効果と組み直し作業

完成後のビフォー・アフターは冒頭でお見せしていますが、7日半ほどの漬け込み作業での変化が以下の写真の通りです。(左から「最初」→「漂白1回目」→「2回目」)
並べて見るとハッキリ効果がわかりますね。
あとは分解と逆の手順で組み直しました。

最終的に組み直した後の写真も載せておきます。
「新品同様」は言い過ぎかもですが、「レストアした商品です」という前提のうえなら「目立った傷や汚れなし」と言えるくらいにきれいにはなりましたね。サウンドチェックも問題なしでした。

最後に

この初期型は今の時代の機材の主流?のようなBluetoothなどの無線で動いたりはないので、あまり迷うことなく分解などできました。(普段からレトロゲーの分解などもしているので)
ただ…言わずもがな失敗のリスクもあるので、壊したら替えがきかない貴重な機材にはやらない方がよいと個人的には強く考えます。

余談ですが…この初期型は当時はまだiPadやiPhoneにMIDIキーボードを繋ぐときはセルフパワーのUSBハブやらなんやらごちゃごちゃ繋がないとならなかった時代に、有線1本でiOSデバイスにもPC(Mac)にも今はなき30pinのiPhoneにもなんにでも繋げるというのが革新的な機材だった気がします。
今の時代からみればかなりの旧式ですが…コイツを使って色々作曲などして過ごした思い出もあり、今回こんなに上手くいったのでまたちょくちょく作曲みたいなことしてみようなかなあ、とか考えていたりいなかったりです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?