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【人間理解に懸命な時代】

いま、いろんな人が " 真ん中の意見 " を探そうと懸命なのだな…と、感じる一コマがありました。
Twitterの一つの発信が今回のテーマ。


Twitterの話題:
LGBTの方のトイレ・お風呂問題についての話

そのツイートは『体が女性で心が男性のLGBTは男性風呂やトイレにこだわらないのに、体が男性で心が女性のLGBTは血眼になって風呂やトイレで女性ゾーンを使いたがる。それは女性の恐怖心を理解していない行動だ』と、話していました。

これに対してのリプが次のような感じ。

●KABAちゃんは、男性風呂でイケメンの体を見るのが好きだったという有名な話がある。そういう違う視点を持つこともできる。

●少数派を守ろうとするのは正しいけれども、多数派にしわ寄せがありすぎるのは違うのでは。

●新しい時代なのに旧来のままの取り扱いをもって論じるから混乱するのだ。

●当事者の自分は、そもそも風呂は行かない。トイレは多目的しか使わない。


Twitter会議ができる昨今

おそらく、ひところのネットでは「That's true.」の表現がひしめき合っていたのではないかと思うのです。「それはおかしいだろ」「そんなこと言ってるのが草」みたいな。
上のリプを見ると「I think」が中心です。「私は思うんですよ。皆さんどうですか」の体裁を感じました。
その雰囲気に興味を持ち、リプも読んでいったのですが…

まず、「女性の恐怖心」に着眼した、元となるツイートに個人的に感心したのです。
なるほど、指摘の通り女性は男性の " 侵襲 " に恐怖を感じます。
これは本能ですので理屈ではないでしょう。
どうあっても女性は人間界では非力。自分より大きく強い者に畏怖を覚えるのは原初的な恐怖です。
その恐怖を理解せずにお風呂トイレ問題が盛んになっていることへの疑義という感じでした。

なるほどなるほど。

KABAちゃんの話も面白いです。
LGBTの課題には、むしろこういう(同性から見た?)着眼点があることに気づきます。同性であることをポジティブにとらえた(?)視点でしょうか。
KABAちゃんが自分の境遇をプラスに転化して話す力があったことでこのような話題提供ができたのかもしれませんが。

次に、多数派のしわ寄せ。
ふむふむ、少数派にしてみると「こっちにしわ寄せがあるんじゃい」と思えますが、厳しい話、生物界たるもの多数派を軸に道理は回ります。例えば、動物も、突然変異で色の変わった個体は群れから離れてしまうなどの現象があるなど。
だからといって少数派をないがしろにする話ではありません。
優先するポイント、尊重すべき着眼点を工夫する必要があるという話です。

そして、これは気づかされる発言でした。
新しい時代に変わっているのに、旧態依然とした体制を使っているのが悪い。
もっともですね。
PCもゲームも家電も、時代の価値観や技術に即してアプデされます。
人間社会も同様。新しい価値観が生み出されれば、その価値観で社会が回るよう制度を再構築する必要があるのでしょう。

最後に、そもそもトイレを使わないというのは…切ない話だと思いました。
当事者の方は、そんなに体の性にとらわれるのが嫌なのですね。
その心をどうやって守るのか、考えさせられる想いでした。


皆で進める『人間理解』

一つのツイートに、たくさんのリプがあり、ほとんどがそのテーマを真剣に考え返している内容でした。

元となるツイートにも何かの錯誤はあるのかもしれません。体が女性のLGBTの人の声が、表に出ていないだけで主張はあるのかもしれません。
けれども、LGBT、障害者、男性優位社会、夫婦別姓など、少数派が意見を持つテーマが絶えないのは事実。
たくさんの人が、たくさんの考えをもって、さらにそれを皆ですり合わせようとしている姿が見られた一コマでした。


ぱれぱれ